デザイナーなどのクリエイターは、ポートフォリオを制作する際にも、作品にするためのクリエイティブな見せ方やデザインにこだわるでしょう。確かに、どれだけこだわりを持ってポートフォリオを制作したかは、大切な要素といえます。
しかし、ポートフォリオは、応募する企業に「自分を知ってもらうための資料」という、ビジネスの側面も強い書類です。クリエイティビティだけでなく、ビジネス面もしっかり押さえていることをアピールできるようなポートフォリオを目指しましょう。
この記事では、採用担当者や現場責任者の目にとまり、しっかり読んでもらえるポートフォリオを作るにはどうすればいいのか、おもにゲーム業界におけるデザイナー職のポートフォリオを例に挙げて紹介していきます。
ゲームでも映像でも、最初に考えておくべき重要なことに「ターゲット」が挙げられます。これは、ポートフォリオでも同じです。現在どういう状況で、何を求めているのか、マーケティングでいう「ペルソナ」を理解し、ポートフォリオを作っていく必要があります。
就職や転職のためのポートフォリオは、多くの会社では、まず人事などの採用担当者がチェックします。そして、ある程度のレベルにあると判断された人のポートフォリオだけが、実際に配属されるゲーム制作現場の責任者のもとへ回ることになります。そして、その結果によって面接に進むかどうかが決まります。
会社によっては、最初の段階で現場責任者もチェックしたり、逆に2次、3次と面接が進むまでは現場責任者が見なかったりと、違いはあります。しかし、採用担当者(部署としては人事や総務が多い)が、最初にある程度書類で選考を行う会社がほとんどでしょう。
企業の採用担当はクリエイターという「職種」だけでなく、「自分の会社の従業員」にふさわしいかという目線でもチェックします。ポートフォリオを作るときには、以下のような点にも留意してください。
自分のお気に入りの作品を、気に入った順に並べたポートフォリオはありがちです。しかしそれは、受取り側がその背景を考えたり調べたりしないと、判定がつきにくいものでもあります。作品がずば抜けていれば採用される可能性はありますが、一般的にはそういった人材は社員ではなく「外部委託」として契約する場合が多いものです。
とにかく、数多くの会社を受ける応募者に多いのですが、個々の会社や募集職種に内容を合わせずに、一斉に同じポートフォリオを送ってしまうケースが散見されます。このような画一的なポートフォリオを送る人は、自社に合っていない応募者とみなされるため評価が下がってしまいます。
採用担当者は、たくさんの応募者のポートフォリオを日々チェックしています。その中で目に留まるためには、内容はもちろんのこと、「読みやすさ」と「わかりやすさ」が重要です。採用担当者は、実務面に詳しくないことも多いため、ビジネス文書としてのわかりやすさを重視します。
では、採用担当者や現場責任者の目に留まるポートフォリオを作るためには、どうすればいいのでしょうか。まず、自分がアピールしたいポイントを決め、それが一目でわかるような構成にすることです。理想は、面接で必ず質問される「あなたの強みは何ですか?」に対して、言葉ではなく、作品と作品を見せる順番などの構成で答えるというイメージです。
面接の受け答えの流れを考えるように、ポートフォリオも流れを考えて全体を構成していきましょう。
構成を考える際は、最初にポートフォリオの「目次(index)」を作ると組みやすくなります。
目次とは、書籍や雑誌の最初にある見出し一覧のこと。全体の内容から、骨子となる柱を抽出して順番に並べたものです。ポートフォリオでも、目次を作るために「柱を何にするのか」「どういう順番にするのか」を考えることで、系統立ったものにすることができます。ゲーム業界でポートフォリオの提出を求められるデザイナーのポートフォリオを例に挙げてみると、例えば次のような柱です。
ほかにもいろいろ考えられますが、重要なのは「一番自分のアピールポイントをうまく伝えることができる柱と順番は何か」を探ることです。
構成を組むだけでなく、実際のポートフォリオでも、紙やPDFで提出する場合は、目次をつけましょう。そのことで、採用担当者や現場責任者の印象が大きく変わる可能性があります。全ページに目を通さないとわからないポートフォリオと、目次で特に注目して見たい部分を把握してから目を通すことができるポートフォリオでは、担当者の負担も大きく変わってきます。ビジネス文書やプレゼンテーションが、最初に目次的なページから始まるのも同様の狙いです。
インターネットで閲覧できる「ポートフォリオサイト」を作成する場合には、メニューのカテゴリー名に考えた柱を使ってもいいでしょう。
ポートフォリオの構成が決まったら、いよいよ作品を見せていきます。その際、デザイナーはつい「見ればわかる」というように、ビジュアルメインで配置してしまいがちですが、各作品の説明を忘れてはいけません。芸術家の絵画を購入するわけではありませんので、ゲーム会社の採用担当者や現場責任者は作品の裏側を知り、自社のプロジェクトで力を発揮してくれるか、自社に新しい風を吹き込んでくれるかなどを、判断したいと考えているからです。
1つの作品に対してどういう説明を書くかは、コンテンツのジャンルや担当領域によって変わりますが、例えば下記のような項目が考えられるでしょう。
最後に、ゲーム会社の採用担当者や、現場責任者からのアドバイスをお届けします。あなたのポートフォリオはこういう目線でチェックされています。
構成については、実務で作成した作品と、趣味や勉強で作成したオリジナル作品は柱を分けた方が見やすいですね。クライアントや上司からの要望や納期のプレッシャー、予算の縛りなどがある実務仕事と自主作品では評価のポイントが違いますので。
自分が希望するポジションや業務に沿ったポートフォリオを提出するようにしてください。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、実際には「3Dデザイナー希望なのにポートフォリオには2D作品ばかり」「UIデザイナー希望なのにキャラクターイラスト作品がメイン」といった例が多く、スキルレベルが判断できないのです。もし今まで実務を経験していない新分野に挑戦したいというのであれば、希望する職種に合った作品を用意してください。
人気職種である2Dイラストレーターやゲームキャラクターデザイナーを希望する方は多くいます。実務経験が浅い方に対しては、まず基本的なデッサンスキルがあるか、人体パースが理解できているかを見ます。ですから全身を描いた絵を必ず入れてほしいと思います。意外に足先が描けない人が多いのです。
古い作品ばかりが並んでいるポートフォリオを見かけることがありますが、ゲーム業界は進化が速いので、あまりに古い作品は参考になりません。一般的には、2~3年前から現在までの作品を中心にしてほしいところです。そして、転職時に専門学校など学生時代に制作した作品を送ってくる人も多いですが、卒業後数年経過しているのであれば、載せなくてもいいかもしれません。
ゲームモーションデザイナー(アニメーター)やエフェクトデザイナーなら、ポートフォリオとしてデモリール(作品を編集したデータやDVD)を用意してください。長いとデータも重く、忙しい担当者に見てもらえない可能性があるので、1~2分程度で、見て欲しい作品から先に入れるといいでしょう。
ゲームプログラマー希望の方で、自主制作ゲームを作品として提出する場合は、当たり前のことですが、必ず動作確認を行ってください。自主作品を作る意欲は評価できるのですが、動作確認が事前にできていない場合、仕事でもこんなことになるのでは…と逆にマイナス評価になる場合があります。
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