ゲーム開発最前線 ― 【TGS2018】取材レポート①

【TGS2018】取材レポート①:東京ゲームショウ2018で目立ったのは「VR」

2018年9月20日から4日間にわたって開催され、大盛況のうちに終了した「東京ゲームショウ2018」(TGS2018)の会場写真。国内外のゲームメーカーのブースはどこも賑わっています。

2018年9月20日から4日間にわたって開催され、大盛況のうちに終了した「東京ゲームショウ2018」(以下、TGS2018)。完全新作の発表、人気タイトルの続編、プレイアブル出展、クリエイターや声優のトーク、ノベルティーの配布など、人が集まる理由はさまざまですが、国内外のゲームメーカーのブースはどこも終日賑わっていました。
しかし、テレビなどで大きく取り上げられたのは「VR」関連のタイトルだったのではないでしょうか。特に、初日の夜と翌日放送されたニュース番組では、レポーターがHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をつけて、VRゲームや大型筐体を体験する様子が数多く報じられました。

もの珍しさを超え、普及期に入った家庭用VR機器

TGSでVRが注目されたのは、VR元年といわれた2016年のことです。この年の10月に発売された「PlayStation VR」の試遊ができるとあって、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)ブースには長い行列ができました。先日、最新機種「Oculus Quest」を発表したOculusの「Oculus Rift」(2016年3月発売)や「HTC Vive」(2016年4月発売)などが先行していたものの、長らくゲーム業界を引っ張って来たSIEによる、いわば大本命のVR機器ですから、当時、非常に注目されていました。

その後、PlayStation VR、Oculus Rift、HTC Viveは、家庭で手軽にVRを体験できるものとして業界を牽引。2017年12月時点で7,000万台を超えるPlayStation 4の出荷台数に比べ、PlayStation VRは200万台超(実売)と発展途上 にありますが、対応タイトルも増えていることもあって、今後、普及していくものと考えられます。

実際の会場でもVR関連のタイトルが人気

TGS2018の会場でも、VRを使ったタイトルの出展が目立ちました。特に、業務用VR筐体の販売を行うJPPVRのブースは圧巻で、全国のアミューズメント施設で稼働中の「PHOTON BIKE」や、日本では初公開となった「THE DUST OF SAND」の試乗は、ビジネスデイでも整理券がなくなるほどの人気ぶり。自転車(一輪車)をこぐ「TIME CYCLE」やシューティングゲームの「SUPER GUIDE」など、同社が販売するVRタイトルが勢揃いしたブースは、終日賑わっていました。

「東京ゲームショウ2018」(TGS2018)で業務用VR筐体の販売を行うJPPVRのブースに展示されるVRアミューズメント筐体「PHOTON CAR(フォトンカー)」の写真。近未来のカーレーサーとなり、アイテムを駆使しつつ他のレーサーと競い合い、360°視界のVR空間を疾走します。

発表されたばかりのPlayStation Classicの実機が見られたSIEでは、主力機であるPlayStation 4とPlayStation VRがブースを二分。リズムにのりながら、映画「スター・ウォーズ」のライトセーバーのような武器で斬りまくる「Beat Saber」(発売元:Beat Games)のほか、歴史あるシリーズで初めて主観視点を実現した「みんなのGOLF VR」、懐かしさも感じる「スペースチャンネル5 あらかた★ダンシングショー」(発売元:グランディング)、VR対応で臨場感が大幅にアップした「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」(発売元:バンダイナムコエンターテインメント)など、さまざまなVRタイトルがプレイアブル出展されていました。

「東京ゲームショウ2018」(TGS2018)でSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
が出展するPlayStation VRの展示ブースの看板写真。さまざまなVRタイトルがプレイアブル出展されています。

ほかにも、あまたがDeNAと共同開発中の謎解きとバトルを融合したアドベンチャーゲーム「VoxEl」のほか、MyDearestが開発し、豪華クリエイターの参加とクラウドファンディングが話題になった「東京クロノス」、VRワールドの中にいくつものアトラクションを展開するハシラスの「オルタランド」、同じくクラウドファンディングで注目されたイケメンとの触れ合いが楽しめるヘキサドライブの「MakeS VR」など、直近のVRゲーム界を引っ張るタイトルが目立ちました。

VR開発ツールの出展に注目

VRが世界的な潮流となりつつある現在を象徴するように、関連する企業の出展が多かったこともTGS2018で注目すべきポイントでしょう。

VRゲームでは、従来のゲームよりプレイヤーの没入感が高まります。その分、よりリアルなキャラクターの動作や現実世界と見まがう背景など、高度なモーションキャプチャーやCGの技術が求められるため、それらを実現する開発ツールについて、ゲーム開発者(社)は知っておく必要があるのです。
もちろん、ただ「◯◯というツールの名前を知っている」だけでなく、実務レベルで使いこなせることが大切なことは言うまでもありません。しかし、開発現場で日常的にふれることができるのは、「今現在のゲーム制作」に必要なツール。日々更新されていく開発ツールを、リリースごとに、現在の制作タイトルと無関係に(勉強として)いじれる環境がそろっているのは、極一部の制作会社に限られているのではないでしょうか。

TGS2018は、これからのVR時代に向けた開発ツールをリリースしている企業のブースで、これまで使ってこなかった(さわったことがない)ツールを使用して開発されたタイトルを実際にプレイしたり、映像を見たり、担当者に話を聞くいい機会でもありました。
例えば、数多くのミドルウェアを開発・ローカライズしてきたシリコンスタジオのブースでは、自動車メーカーが採用する高度なVRドライブシミュレーター「T3R」をプレイアブル出展。レーサー視点の臨場感あふれる映像が、同社のポストミドルウェア「YEBIS 3」の使用によって実現したことを体感できました。また、eスポーツでも人気の格闘ゲーム「ストリートファイターV アーケードエディション」には、やはり同社のミドルウェア「Enlighten」が採用されていますが、こちらもプレイアブルで出展。実際のゲーム画面と映像を見比べながら、担当者の解説を聞くことができました。

「東京ゲームショウ2018」(TGS2018)でシリコンスタジオが出展した自動車メーカーが採用する高度なVRドライブシミュレーター「T3R」のプレイ写真。レーサー視点の臨場感あふれる映像が、同社のポストミドルウェア「YEBIS 3」の使用によって実現したことを体感できます。

また、VR機器の老舗のひとつであるクレッセントのブースでは、さまざまな機器とタイトルを実際に体験することができ、台湾などアジア圏のVR開発シーンがかなり進んでいることを実感できました。

「東京ゲームショウ2018」(TGS2018)で、VR機器の老舗のひとつであるクレッセントのブースでモーションキャプチャデバイスを使ったデモが行われている写真。

これからの開発者に求められるのはVRゲーム開発の技術と経験

「Unity」や「Unreal Engine」といった高次元な開発ツールによって、世界のPCや家庭用ゲーム機向けのタイトルは「よりリッチでリアルなもの」を実現しやすくなり、各社もこれを指向するようになっています。また、これまでグラフィックよりアイディアが重視されてきたスマホ向けのタイトルも、これらのツールを利用することで、ほかのハードと遜色のない映像が実現されるようになりました。

黎明期から普及期になったばかりのVRゲームの世界では、まだアイディアの良さで一点突破できる余地があります。一般の方にとってVRはまだ新しいものであり、それを体験する機会はそれほど多くありません。そのため、「わかりやすく、おもしろい」ゲームが求められていることは、TGS2018の出展タイトルや、巷にあるVR体験ができるアミューズメント施設のラインナップを見ても明らかです。

しかし、VRの普及がさらに進めば、ゲームの世界の一員であると錯覚できる、現実感あふれる超高度なグラフィックが要求されるようになるでしょう。TGS2018のVR関連ブースを見れば、これからのゲーム開発者にとって、ツールを使いこなすことはもちろん、常に最新の情報にふれていることが、何よりも重要であったことは明らかです。
「まだVRは関係ない」「作る予定はない」という方も、情報収集するアンテナを張り、ツールにふれる機会を増やすことは、決して無駄にならないでしょう。

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