キャラモデリングの担当者が制作した3Dモデルに、動きをつけるのが3Dデザイナーの中でも「3Dデザイナー(モーション・アニメーション・ムービー)」と呼ばれる職種のクリエイターです。また、ゲーム中の映像(ムービー・カットシーン)を制作する職種でもあります。キャラクターに魂を吹き込み、映像によってゲーム演出を行う3Dデザイナー(モーション・アニメーション・ムービー)は、ゲームの面白さを決定する重要なポジションといえるでしょう。
肩書は「アニメーションデザイナー」「シネマティックアーティスト」「(3D)アニメーター」などの場合もあります。

ゲームの主人公をはじめ、基本的にすべての登場人物や敵、鳥や動物、魚などの生き物をそれらしく動かすのが、モーションやアニメーションを担当する人の仕事です。
キャラクターモデリングの担当者が作成した3Dモデルのキャラクターは、そのままでは生物らしく動作しません。そこで、3Dモデルの骨格となるボーン同士のつながりを決めたり、動かす方向や角度を調整したり、大きさや形を整える「リギング」という作業を行う必要があります(キャラクターモデリングの担当者がリギングまで済ませていても、ゲームの内容や場面に合わせて細かく調整する必要があります)。
次に、キャラクターに実際の動きをつける「モーション」を作成します。モーションには歩く、走る、ジャンプをする、戦うといったもののほか、体の動きや声のトーンに合わせた表情の変化、視線の揺れなどキャラクターに生命が宿ったように見せる顔の表情を動かす「フェイシャルアニメーション」があります。モーション・アニメーション制作は、キャラクターに個別のアクションや表情の動きを加えることで、キャラクターの性格や感情を表現し、ゲームをより面白いものへと変化させる重要な役割を持っています。
モーションには、クリエイターが手動でつける場合と、俳優などに演じてもらった動きをデジタルデータとして取り込むモーションキャプチャーの2種類があります。動作の一つひとつがそのキャラクターらしくある必要があり、ゲームバランスや爽快感などにもつながるため、とても重要な作業です。
動きが完成したら、エフェクト担当やプログラマーと連携し、システムに実装して1キャラクターの1つの動作を作る作業が終わります。
この一連の作業を全キャラクター分、アクションの数だけ制作するため、モーション・アニメーション担当の仕事量は膨大なものになるのです。
モーション・アニメーションの制作には、「Maya」「Motionbuilder」「3dsMax」「Softimage」といったツールを使用します。特にMayaとMotionbuilderを使用するゲーム制作会社が多いので、この2つは使えるレベルに達している必要があります。
モーションの作成は比較的負担の少ないモーションキャプチャーを導入するところが増えていますが、それでも細かい調整は欠かせませんし、ゼロから手動で一連の動作をつける技術は持っていたほうが良いでしょう。もちろん、ただ動作をつけられるだけではなく、関節や筋肉の動きがリアルであることやキャラクターをかっこ良く(かわいく)見せるスキルも必要です。日頃から体を使うスポーツを見る、映画などのアクションや決めポーズなどを観察するといった学びを忘れないようにしましょう。
この職種で特に重視されるのは、上記ツールを使用したモーション/アニメーションの作成ですが、モーションキャプチャーに立ち会って作業した経験や、ムービー制作(絵コンテの作成やライティングの基本を知っている、実写映像の撮影など)に携わったことなどもプラスに働きます。
また、「Unreal Engine」や「Unity」が使えたり、「MEL」や「Python」を使用した実務経験があったりするとさらに有利です。
相応のスキルを必要とするため、完全な未経験者を採用するゲーム制作会社はほぼありません。ほかの3Dデザイナー同様、専門学校か美術系の大学で基礎を学び、各種ツールを扱えるようになってから門をたたくのが基本です。
別の職業からの転職を考えている人は、短期講座や夜間講座など、働きながら学べる場所に通って、ツールを習得した上で求人に応募するのがおすすめですが、そこで求められるのが「ポートフォリオ(作品)」です。
評価対象はキャラクターの動きなので、静止画のポートフォリオにはあまり意味がありません。自身が作成したモーションやアニメーション、ムービーをまとめたデモリールをWebなどにアップして、実力をしっかりアピールする必要があります。なお、ムービーの場合は、絵コンテも併せて提示することで演出力があることを伝えることができます。
3Dデザイナー(モーション・アニメーション・ムービー)は専門職であり、その道を追求していくタイプのクリエイターが大半という職種です。ずっと現場の一線にいて、どんなプロジェクトにも欠かせないスペシャリストを目指す人も多いのですが、ゲームエンジン(特にUnity)の勉強や、リーダーとしてチームをまとめる経験をしておくと、より理想のキャリアに近づけます。
そうではなく、もう少し上のレイヤーを目指すのであれば、モーションやアニメーションチームを率いるリードデザイナー、プログラミングもできるテクニカルアーティスト、クオリティを担保するアートディレクターへの道は開けています。いずれも現場での経験、作った作品(モーションやアニメーション、ムービー)の評価、リーダーとしての資質が問われるので、より一層の努力を重ねる必要があるのは言うまでもありません。
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