研修レポート ― 派遣社員向けUnreal Engine研修の内容をご紹介

派遣社員向けUnreal Engine研修の内容をご紹介

講習やセミナーを受けてスキルアップし、仕事の幅を広げ、ポジションを上げたり、転職を有利に行ったりという流れは、 一般のビジネスパーソンだけでなく、ゲームクリエイターにとっても当たり前のことになっています。
シリコンスタジオエージェントでは、同社に登録した派遣社員のスキルアップを目的とした 「プランナー研修」や 「Unity研修」を開設。 キャリアプランを真剣に考えている方や、技術を身に付けたいという意欲を持った派遣社員の方に多数ご参加いただき、活況を呈しています。

この派遣社員向けスキルアップセミナーに、業界でUnityと双璧をなすゲームエンジンUnreal Engineの研修が2020年にスタートしました。 こうした研修は、実際に参加してみないと「内容がわからない」「自分に合っているか(必要かどうか)わからない」「どの程度の準備をすればいいか不安」といった声が一定数あるものです。 そこで、まずはプレビュー版として、Unreal Engine研修の概要を紹介しましょう。

派遣社員向けUnreal Engine研修の内容をご紹介

押さえておきたいUnreal Engineでできること

講師を務めるのは、Unity研修でもおなじみの遠藤真宏氏(株式会社オープンエンド代表取締役)と秋山正樹氏(スタジオミッシュマッシュ代表)。 複数のゲーム専門学校でも講師として活躍し、多くの人材を業界に送り込んできた2人がクロストークする形で、Unreal Engine研修の概要を明らかにしていきます。

初めに紹介したのは、Unreal Engineの活用事例。参加者は、全員が派遣社員としてゲーム開発に携わっている人ですから、 「どのゲームの映像が流れるのだろう」と構えていたはずですが、実際に紹介されたのは映画「スター・ウォーズ」シリーズの一場面。 そのシーンでは、いわゆるレンダリング作業をせず、フレーム(画面)外のものまですべてをUnreal Engineがリアルタイムでレンダリングしているとのこと。

まるで実写と見まがうような「フォトリアリスティック」な映像は、PlayStation 4などのタイトルを中心に採用されることが多く、 これをリアルタイムにレンダリングできるUnreal Engineは、開発現場で非常に重宝されています。ほかの実例として、女性のスカートが風で揺れている場面も紹介。 そのシーンでは、揺れ物すべてがリアルタイムレンダリングされているそうです。
ほかにも、「ファイナルファンタジーVII」のリメイク版で「プレイアブルとムービーのつながりがスムーズ」になっていること、 海外ではUnreal Engineだけを使ってドラマやアニメが制作されていることも紹介しました。

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参加者の大半は、スマホ向けアプリの開発を中心に行っているということもあり、コンシューマーのAAAタイトルはもちろん、 映画やテレビなど、映像の世界でもUnreal Engineを使えることが大きな武器になることを、改めて確認することになりました。

簡単にエフェクトやステージの制作ができる

続いて、講師によるUnreal Engineの実演で、実際の研修でもプログラムの初期に取り入れているエフェクト作成として、 「炎を作る」作業を披露します。ボタンの意味や作業内容を丁寧に解説しながら、淡々と、しかし着実に炎を完成へと導きます。 この日は、Unreal Engine経験者がほぼいなかったこともあり、わずかな時間できれいな炎ができることを目の当たりにした参加者からは驚きの声が上がりました。

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エフェクト作成を、まだ扱いに慣れていない研修の初期段階に行うメリットは、「UIを学べること」。 2020年からの研修を受講すると、それだけでポートフォリオに載せられる作品が6枚できる予定です。

次に行ったのは「ステージの作成」です。三人称視点のRPGやアクションゲームなどでよく見るステージを、 「22分で完成させる」と宣言した上でスタートしました。エフェクト作成の実演同様、ボタンの意味や作業の意味を説明しながら、 ハイペースでステージを作り上げていきます。ちなみに、ステージに配置するマテリアル(素材)の作り方ですが、 スクリプトを必須とするUnityに対し、Unreal Engineのほうが容易に行うことができます。

キャラクターへのアニメーション付けも可能

最後に行ったのが「アニメーション作成」です。キャラクターのモデルに、Unreal Engine上で動作をつけていく作業を実演し、 ただ立っているだけだったモデルが、少しずつ動くキャラクターへと変化していく流れを知ることができます。

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なお、モデル自体はUnreal Engineではなく「Maya」や「3ds MAX」などで制作するほうがおすすめです。また、キャラクター(モデル)を効率良く動かす「リギング」の情報は、 ほかのソフトウェアからUnreal Engineに持ってくることができないため、アニメーションを作る過程で直したくなった場合は、 元のソフトウェアで修正する必要があります(どうしてもUnreal Engine上でリギング情報を仕込みたい場合は、有償のアセットの導入が必要)。

特に、モデルに骨を仕込む作業は、Unreal Engineではできません。つまり、モデルを一から制作したい場合は、Mayaなども習熟しておいたほうが良いということになります。 ただ、オペレーションはMayaなどとほぼ変わらないので、モーション(の付け方)を学ぶ意味において、アニメーション作成を研修の一環として取り入れています。

クリエイターがUnreal Engineを使えることは必須条件へ

ゲームに必要な多くの要素のうち、「エフェクト」と「ステージ」「キャラクターのアニメーション」の作成を一人で行えるUnreal Engineを使いこなせるようになることは、 ゲーム制作者(特に、CGクリエイター)のキャリアアップに欠かせない要素のひとつになりつつあります。
CG制作に携わる職種の人はもちろん、プランナーやディレクターもUnreal Engineを使いこなすことによって、「意図を視覚的に共有」する資料を作成したり、 CG制作を手伝ったりすることができます。また、Unreal Engineができること・できないことを知っているだけでも、 企画内容への反映や制作スケジュールの調整に役立つでしょう。

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今回のUnreal Engine研修のようなスキルアップセミナーは、多くのゲームクリエイターにとってたいへん意義があるものです。 経験者は「さわったことのない機能を身に付ける」ことができ、未経験者は「おもな機能を使えるようになる」ことができ、自身のキャリアにとってプラスになるからです。
さらなるスキルアップを目指しながら、着実に実務経験を積むことができる派遣社員という働き方は、ゲームクリエイターにとっては有効なキャリア形成のひとつだといえるでしょう。
派遣社員としての働き方やゲームクリエイターとしてのキャリアアップに興味がある方は、ぜひ シリコンスタジオエージェントにご登録の上、キャリアアドバイザーにご相談ください。

講師PROFILE

遠藤真宏

株式会社オープンエンド代表取締役。2003年3月に都内のデザイン系専門学校を卒業後、映像系の会社でモデリングからコンポジットまで、 3DCGの作業全般を経験。その後、複数のゲーム会社で数々のメジャータイトルの開発に携わる。 その経験から、「脳で理解できる作業フロー」を永遠のテーマに研究を重ね、23歳で独立。フリーランサーを経て、株式会社オープンエンドを設立した。 現在は、都内を中心に複数の専門学校等の教職も掛け持ちながら、東南アジアの3Dデザイナー育成に注力している。 2009年6月に催された、「Cut and Paste 2009 Tokyo」の3Dモデリング部門の覇者でもある。

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秋山正樹

スタジオミッシュマッシュ代表。プログラマーとしてキャリアをスタートするも、異業種へのチャレンジを決意。 2013年にデジタルハリウッドを卒業し、映像系CG会社にて、アニメーション、エフェクト制作を中心に3DCGの経験を積む。 その後、ゲーム・VR開発会社に転職。CG制作のみならず、企画立案やスクリプト制作などを幅広く担当した後、2018年に独立。 都内の専門学校で講師をしながら、CG制作に携わっている。

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