一般的に派遣社員は、社員として働いている人と比べると、派遣先で社内研修を受ける機会が少なく、派遣期間が終わると次の会社に移るため、スキルアップを図ることが難しいのが現実でしょう。
この問題を解決するため、シリコンスタジオエージェントでは、登録いただいているクリエイター(派遣社員)向けに、さまざまな研修を行っています。今回は、数多い講座の中から「ゲームプランニング講座<入門編>」を選び、ゲームの記事を多く手掛けているライターが現役プランナーの皆さんといっしょに受講してみました。
ゲームプランニング講座を担当するのは、約15年間、ゲーム業界の一線でプランナーとして活躍し、現在は某AAAタイトルに携わっている貫田将文氏。
ちなみに、この日の研修は、お昼休みが1時間挟まれるものの、9:30~18:30に全8コマ行われる長丁場。貫田氏が数多くの開発現場で培ってきた知識と経験は、次のように分けられ、講義が行われることになりました。
それぞれの講義で何が語られたのか、実体験を元にご紹介していきます。
午前中に行われた4コマの研修は、ゲーム開発の現場でプランナーが「何をしているのか」「どのような役割を担っているのか」を見つめ直し、業務内容を明確にしていくことにあてられました。
講師である貫田氏はもちろん、参加者も全員現役のプランナーですから、当然日々の業務、自身の仕事内容は把握しているはずです。それでも、あえて基礎中の基礎からスタートしたのは、参加者の多くが、(現在はスマホアプリなどに携わっているが)コンシューマータイトルにプランナーとして参加することを希望しているため。
そこで、貫田氏のホームグラウンドである「コンシューマーゲーム開発におけるプランナーの業務」を、一からしっかり覚えることに多くの時間が割かれました。
最初に紹介された「コンシューマーゲーム開発におけるプランナーの役割」を、貫田氏は「ゲームの中身を考えて、目に見える形にすること」であると定義しました。ここでいう目に見える形とは、企画書や仕様書、データ(パラメーター設定やテキストなど)、モックアップ(ゲームのコンセプトや雰囲気が伝わるプロトタイプ)のこと。
これらをプログラマーやデザイナーに周知し、制作物を発注、進行を管理しながら、自分が担当するパート(もしくはゲーム全体)を完成に導いていきます。もちろん、会社やプロジェクトによって進め方は異なりますが、おおよそ次のような流れで行われるそうです。
次いで紹介されたのは「コンシューマーゲームのプランナーに求められる能力」です。ゲームを設計する立場にあるプランナーに必要なスキルとして、貫田氏は次の5つを挙げました。
これらを持ち合わせた人物がプランナーに最適ですが、5つすべてを100%持っている人は「ほとんどいない」そうです。
大切なのは、これらの能力が求められていることを知った上で、プランナーの仕事に取り組む姿勢とのことでした。
ゲーム開発初期、プランナーの業務の多くを占めるのが「設計」です。この設計には、ゲームの全体像を表す「ゲームサイクル・ゲームフロー」、ゲーム全体のフローチャートでもある「ゲームプロット」、ゲームのクリア条件、勝敗条件、プレイ中の詳細ルール等を表す「ゲームルール」、成長やカスタマイズのしくみはもちろん、会話やNPCの制御、テキストデータの管理までを含む「システム」があり、いずれもゲーム全体を形作る上で欠かせない要素となっています。
さらに、発売中(リリース済み)のゲームをプレイして、仕様書やチャートを起こす「逆仕様書化」を行うことで、ゲームのしくみや設計を深く理解できるとアドバイスを送ります。逆仕様書化を行う際は、ゲームの攻略本の「フローチャート」や「各種データ」を読むこともおすすめだそうです。
午前最後の講義のテーマは「シナリオとイベント」。まず、スマホなどのソーシャルゲームとコンシューマーゲームでは、「イベント」の意味や考え方、プランナーに求められる能力が違うことが語られました。
スマホアプリ(ソーシャルゲーム)のイベントは、運営イベントの内容を考えることになりますが、コンシューマーゲームのイベントでは「シナリオをゲーム中のイベントやクエストとして落とし込むこと」、そして「イベントシーンの演出を行うこと」が、プランナーに求められます。 つまり、スマホアプリの場合は「◯◯という激レアが出現!××を使って倒せ!!」といった内容自体を考えますが、コンシューマーゲームではシナリオライターが考えた物語を「ゲームの体験のひとつとして成立させる」必要があります。この「イベントが指す言葉の意味」を理解していないと、採用後に齟齬が生じる可能性が高くなるそうです。
また、コンシューマーゲームの「シナリオ」は、「プレイヤーの感情を揺さぶる装置」のひとつととらえることが大切であると同時に、「シナリオそのものがウリ」になる場合と、「プレイヤーが置かれた状況の説明」や「ゲームを進めるモチベーション」になる場合があることを理解するよう求められました。
なお、どちらの場合でも「テーマやコンセプト、システムとリンクした上でシナリオをまとめること」が重要です。特に、作品のテーマにつながる感情をプレイヤーに抱かせるための「感情設計」では、自身の琴線(のポイント)を分析、自覚した上で行うことによって、より良いシナリオになるとのこと。
シナリオそのものの設計では「起承転結」を考えることがポイントです。講義では、RPGを例に解説されました。
この、起承転結を明確にするためには、ゲーム(シナリオ)の進行とプレイヤーの感情の変化をグラフ化した「感情曲線」を作っても良いそうです。
シナリオに基づいて作られるイベントシーン(ムービーなど)の演出を行うことも、プランナーの業務のひとつです。その際に求められるのが映像の知識であり、プレイヤーに物語を体験させるセンスです。
講義では、細部まで解説する時間はありませんでしたが、次のような原理原則を学んだほうが良いそうです。
また、プレイヤーがキャラクターを操作できる「プレイアブル」と、動かせない「イベント(ムービー)」の接続がスムーズになるようにすること。カメラワークの基本である「アオリ」「俯瞰」「肩越し」「傾き」などが示す意味を知ることも、イベントシーンの演出に欠かせない要素として押さえておくべきと語られたところで、午前の講義が終わりました。
約15年にわたり、コンシューマーゲーム開発を中心とした現場にプランナーとして携わる。大手ゲームメーカーの巨大なプロジェクトにも数多く参加。現在も某社にてAAAタイトルを開発中。
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