一口にエンジニアといっても、その種類は専門とする分野によって異なります。例えば、サーバー周りのことを担当するサーバーエンジニアと、ネットワーク全般を担当するネットワークエンジニアでは、仕事内容がまったく違いますから、企業の求める人材が違うことは明らかです。また、プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーと、第一線でシステムに取り組むエンジニアでは、求められる能力にも違いがあります。
エンジニアが転職する際には、こういった職種と立場による違いを理解した上で、応募書類を作成し、面接に臨む必要があります。採用側は、応募書類の職務経歴書などを確認した上で実際に会う(面接をする)人を決めていきますが、このとき、経歴と同じくらい重視されるのが履歴書に記載された「志望動機」です。
採用担当者が志望動機で重視しているのは、採用ニーズと求職者がマッチしているかどうかです。開発現場が必要としているスキルを持っているか、経歴に不足はないか、チームにフィットするか…。これを文面から読み取り、次の段階である面接に進める人材を決めていきます。その見極めには、志望動機(志望理由)の欄に書かれた以下のポイントが使われる場合がほとんどです。
特に、入社直後から第一線で活躍することが期待される経験者が転職する場合は、上記のことをしっかり盛り込んだ内容にすることが大切です。それぞれのポイントを見ていきましょう。
採用担当者がチェックしているのは、転職希望者と企業の方向性やアサインされるポジションが合致しているかどうかです。どれだけ能力の高い人を採用できたとしても、その人と企業の目指すものがずれていたり、やりたいことと任される業務がずれていたりすると、離職の可能性が高くなります。これは、大半のエンジニアが「やりたいこと」「学びたいこと」「試したいこと」など、はっきりとした目標を持っていることが理由で、それらが実現困難(不可能)と感じると、本来の能力を発揮しないまま、転職してしまうからです。
過去に関わっていたプロジェクトの全体像は職務経歴書で知ることができますが、実際にどの部分に関わっていて、どのような能力の持ち主であるかを、志望動機の欄で具体的に伝えましょう。技術的なことはもちろん、求人の条件にあるようならマネジメントの経験などを書くのも効果的です。これまでの経験を活かし、さらにどう貢献できるのかが伝わる文章が求められます。
ほかにも多くの会社がある中で、なぜその会社を選んだのか?その理由をわかりやすくまとめることも大切です。企業のことを理解している必要がありますから、企業の公式ウェブサイトなどを読み込んで、しっかり情報収集することから始めましょう。そこで気になったキーワードの中から、アピールするものをチョイスするのがおすすめです。
書類選考を通過すると行われる面接では、応募書類を基にさまざまな質問が出されます。これにわかりやすく、はきはきと答えること、その内容がしっかりした根拠に基づくものであることは、エンジニアに限らず重要であることはいうまでもないでしょう。
なお、採用側は、志望動機を尋ねることで「その人が自社の仕事とマッチするか」「内定を出したときに確実に入社してくれるか」を重要視しています。これは、相応のコストをかけた採用活動において、自社に合わない人材を採ってしまうと、かけた時間やお金が無駄になるばかりでなく、開発の遅れなどにもつながるからです。
一方、転職希望者は、企業が何のために志望動機を聞いているのかを理解した上で、履歴書に書いた志望動機から外れないように質問に答える必要があります。応募書類の内容と答えにギャップがあり過ぎると、「どちらかが嘘である」と考えられてしまいますし、書類では雄弁だったのに説明がたどたどしければ「論理的思考ができない」という判断を下されてしまうでしょう。
こうした失敗をしないためには、応募書類を必ず複製しておくことと、志望動機を聞かれたときに答える台本を作り、練習を重ねておくことが重要です。また、ただ耳当たりのいい言葉を並べるのではなく、具体例を挙げながら説明するようにしましょう。これは志望動機だけに限りませんが、話した(書かれた)内容の裏付けがしっかりなされていることは、採用の判断が行われる際の大きなポイントとなります。
エンジニアの中でもゲーム業界で需要が高まっているサーバーエンジニアとインフラエンジニアの転職において、志望動機に書いたほうが良いことと書いてはいけないことをまとめました。
応募する企業がこれまでに開発してきたシステム、現在運用しているシステムについて調べることから始めましょう。そして、それらのプロジェクトに対してどう感じたのか。自分だったらどのようにする(できた)のか。サーバーエンジニア・インフラエンジニアとしての意見をまとめたものにすると好印象です。
また、自分の能力や経験をどう活かせるかについてもふれておくと良いでしょう。実際に入社できた場合、どのように活躍するのかを知らせると同時に、熱意を伝えることができます。
企業の実績を知っていることは重要ですが、それを褒めるだけで終わってはいけません。そういった実績に負けない仕事をしたい、成功しているプロジェクトをさらに盛り立てるというような熱意も同時に伝えるようにしてください。その際、ただ「やる気」をアピールするだけの内容になっていないか、推敲を重ねるようにしましょう。
また、資格取得へのサポートが充実している場合でも、それに頼るような内容は悪い印象を与えてしまいます。企業が求めているのは「自発的に成長してくれる」人材だからです。同様に、福利厚生の充実や好待遇であることを前面に押し出すのはマイナスになります。
なお、エンジニアに限らず、ほぼすべての人に該当することですが、現在勤めている企業への不満は伝わらないようにする必要があります。ネガティブな理由での転職(退職)は、採用側に「自社もそういった理由で辞めてしまうのでは?」という疑念を生じさせてしまうからです。現職のマイナス要素は、次のように前向きな理由に書き換えて(言い換えて)伝えるようにしましょう。
志望動機は、履歴書の中でも特に重視される部分です。エンジニアは技術職ですから、スキルや経験を厚く書いてしまいがちですが、採用側が見ている部分はほかにもあることを意識して、より良い職場への転職を目指しましょう。志望度の高い企業に提出する前には、ぜひキャリアコーディネーターに相談してみてください。
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