研修レポート ― 【オンライン研修レポート】ゲームクリエイターの応募書類(前編)

【オンライン研修レポート】
ゲームクリエイター転職で大切な応募書類(前編)

シリコンスタジオエージェントでは、ゲームクリエイター向けの研修を数多く行ってきました。コロナ禍の現在もオンライン研修という形で、求職者をサポートしています。
今回は、数々の研修の中から、派遣社員向けに行われた「人事の目に止まる!!応募書類作成」(2020年10月14日実施)をピックアップ。 具体的にどのような講義が行われたのかを、2回に分けてレポートします。

転職はゴールではなくキャリアプランの通過点

この日、講師が示した最終目的は、「自身の経験から得た強みに自信を持つ」「主体的に転職活動に臨んで成功させる」の2つ。 しかし、研修の時間は限られているため、今回のゴールとして「自分のアピールポイントをつかむ」ことが掲げられました。 そのためには、受講者がこれまでの「仕事で得た学びと強み」を探る必要があります。

転職活動では、応募書類や面接で自身をアピールする必要がありますが、これを上手にできる人はあまり多くありません。 この日のオンライン研修は、受講者が自分の実力・魅力を把握して書類に落とし込み、言語化できるようになるための第一歩として開催されたわけです。

ちなみに、転職とは「描いた将来像に近づくための通過点」であり、「キャリアアップに必要な経験を積む場所を探す」ことでもあります。 勤めたい会社にいきなり転職するのではなく、ほかの会社で実務経験を重ねることも大切です。
特に、実務経験が少なかったり、新たな分野に挑戦したりする場合は、最短距離を目指してもうまくいかないことがほとんどでしょう。 回り道に思えても、着実にキャリアを重ねることにより、実力の伴った経験者として目標の会社、目指していたポジションに就くことができます。 今回の研修では、この道筋を探ることもできました。

採用者視点で選考を考えることから始めよう

採用者視点で選考を考える - 【オンライン研修レポート】ゲームクリエイターの転職で大切な応募書類(前編)

転職活動は、応募した企業に選んでもらって初めて成功といえるので、自分視点ではありません。そのため、採用する側の視線で選考を考える必要があります。
ここで受講者に、「そもそも、なぜ企業が人材採用を行うのか?」という質問が投げかけられました。「不足分を埋める」という回答は正解となりましたが、講師はさらに、企業が事業目的を果たすためには「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を確保することが大切と続けます。 そして、それ単体では力を発揮できないモノとカネ、情報をうまく扱うヒト(人材)が必要であり、そのために企業は採用を行っていると説明しました。

転職活動を行う際は、自分が担当する領域だけを見るのではなく、企業の事業目的を知ることが大切であることを伝えます。 事業目的を知るには、応募する企業のホームページなどを見ることが重要です。直接応募ではなくエージェントを挟む場合も、必ずチェックするようにしましょう。このとき、社長のメッセージや企業理念をよく読んで、理解しておくことが大切です。

続いての質問は「自分が面接官だったら応募者の何を知りたいか?」というもの。受講者は自身が面接官になったつもりで、チャットに回答を書き込んでいきます。 挙げられたのは「人柄」「やる気」「同じ方向を向いているか」「事業目的への共感」「持っている技術と配属先とのマッチング」「スキル」「実績」など。 受講者はしっかり採用側の目線を持って、転職活動に臨んでいることがわかります。

企業は、欠員の補充や新規事業の立ち上げを行うときに中途採用を行いますが、いずれのケースも採用者に任せたい仕事が明確です。 つまり、即戦力でなければいけません。未経験者でも応募できる場合は、 仕事への取り組み方や理解度の高さ、周囲との協調性などがチェックされています。

採用者視点で選考を考える - 【オンライン研修レポート】ゲームクリエイターの転職で大切な応募書類(前編)

このため、採用時のポイントは「専門知識」「専門スキル」だけでなく、 それらを活かす「行動特性」「思考特性」に加え、「熱意」「希望」といった意思になります。 知識やスキルを過剰にアピールするのではなく、チームと協働する意思があり、組織といっしょに成長したいという熱意と伸びしろを見せることが大切です。特に、正社員の採用においては、現在が能力のマックスではなく、 幅広く難度の高い仕事に取り組み、長く働いてもらうことが、採用側の前提となっている点には注意してください。

企業のニーズを理解することが重要

ところで、書類あるいは面接の段階で、「この人は無理だな」と企業側に捉えられてしまう場合もあります。そこで講師から、「自分が採用担当者だった場合、どんな応募者が嫌ですか?」という質問が投げかけられました。 受講者が挙げたのは「コミュニケーションがとれなさそう」「ネガティブ思考」「自信過剰・過大評価」「自分と合わない」など。いずれも、書類選考や面接でふるい落とされそうなものばかりです。しかし、講師の答えは下記のようなものでした。

エージェントにすすめられたから応募した

エージェントにすすめられての応募した場合でも、その企業のことを自分でしっかり調べた上で「働きたい」と思えたのであれば問題ありません。しかし、中には何も調べずに面接に臨み、「すすめられたから応募した」と素直に答えるケースもあるそうです。 このような場合、採用担当者は企業理念とのミスマッチを心配します。どれだけスキルがある人でも、次の段階に進めないことは明らかでしょう。

自分のやりたいことばかり考えている

自分のやりたいことを優先していることが見えた場合も同様で、「企業の事業目的との乖離」が問題になります。 やりたいことが企業の目指す方向といっしょであれば大丈夫ですが、合致しないようであれば、そもそも応募する意味がありません。

自分の強みと弱みを理解できていない

自身のことを第三者視点で評価できていることも大切です。そこが理解できていないと見受けられた場合、 「自分ができることと、できないことがわかっていない」という判断が下されてしまいます。

企業に何を提供できるか考えていない

企業が求めるのは成果ですが、これも自己満足なものではなく、企業やクライアント(ユーザー)が求めているものになります。 採用担当者に「自身が求められているものを理解して働くことができない人である」とみなされてしまえば、やはり次の段階に進むことはできません。

応募書類と面接でアピールしたい4つの意識

これらを踏まえ、選考の段階で意識すべきこととして、下記の4つが挙げられました。

1 企業のニーズに応える意識

企業のニーズに応えるためには、企業が「どんな仕事を任せたくて募集したのか」という背景を理解していなければなりません。 ウェブサイトなどで調べてもわからなかった場合は、エージェントから聞いておくようにしましょう。

2 チームで仕事に取り組む意識

ゲームの制作は個人事業ではなく、チームで取り組むものです。そのため、ともに働く仲間に対し、何ができるかを常に考えられる人材であることが求められます。 チームでいっしょに働く意識ができていれば、安心して受け入れてくれるでしょう。

3 組織と仲間に貢献する意識

同じチームの仲間はもちろん、プロジェクト単位、あるいは企業という組織全体に対しても、 自分は何ができるかを考え、しっかり貢献していく姿勢が必要です。

4 自身の成長可能性

中途採用で求められるのは即戦力ですが、現在の能力で止まってしまっては困ります。いっしょに仕事を進めていく中で、 さらに成長していくという期待を持たせること、そしてその成長が企業の繁栄や事業目的の達成につながると思われなければなりません。

3つ目までは、自身が意識して、その姿勢を選考時に伝えられれば問題ありませんが、4つ目の成長の可能性を示すことは難度が高そうです。
しかし、自分がこれまで行ってきたことを見せることにより、どう成長してきたのかをアピールし、今後の伸び方・伸びしろがあることを伝えることは可能であると説きます。

書類選考は企業と応募者のコミュニケーション

採用において、ゲーム業界に限らず、ほぼすべての企業が実施しているのが書類選考です。職務経歴書は、応募者の知識やスキル、経験が、 募集している職種に対して十分であるかを知るためのものですが、それだけにとどまるものではありません。
特に、自己PRの部分で、応募者が主体的に仕事に取り組み、自身を成長させてきたことを確認しているのです。 また、周囲としっかりコミュニケーションをしながら仕事を進められるかどうかも、文章から読み取れると講師は続けます。自己PRの文章が、 企業側のニーズを満たしている人材であることを伝える内容になっていれば問題ありませんが、実績やスキルを強調するだけでは、チームに入ったとき周囲と協働できる人物とはみなされません。

応募書類は、多忙な面接官が会わなくてもいい(面接に呼ばなくてもいい)人物をふるい落とすためのものでもあります。ほとんどの企業において、 面接には現場の担当者や責任者が参加しますが、それは本来の業務の合間に行うものです。つまり、面接のために使える時間は限られているため、 できるだけマッチングする可能性の高い人材と会いたいと考えています。

書類選考は、可能性の低い人材と会わないために行われているものですから、選考する側が魅力を感じる内容である必要があります。 「相手が求めていること」「相手が知りたいこと」がしっかり盛り込まれていることは、書類選考を突破するために欠かせない要素といえるでしょう。

応募書類を書くことは自分のためになる

採用側の視点で応募書類を書くことは、実は自分の役にも立っています。職務経歴書に記す内容は、 「過去の担当業務と実績」「経験を通じて得た知識とスキル」「実績を出すために行った工夫や仕事のコツ」「周囲との関係の構築力」などで、 最後に「応募先で発揮できる強み」を加えるのが一般的です。

自分の経歴を振り返ることは、自身の強みと弱みを把握し、経験やスキルを活かせる場所(ポジション)を探るヒントになります。同時に、 「今の自分に足りないもの」「これから行うべきこと」なども見えてきます。 仮に、転職活動をやめたとしても、自身の経歴の振り返りはこれからのキャリアを考える意味でも役立つわけです。

採用者視点で選考を考える - 【オンライン研修レポート】ゲームクリエイターの転職で大切な応募書類(前編)

また、あらためて自分の能力を理解することは、自分に自信を持つことにつながりますから、臆することなく面接に臨めるでしょう。
採用選考は、企業にイニシアティブがあるように思えますが、実際は応募者も企業を選んでいるものです。そのためには、自分に自信がなければいけません。 応募書類を書く過程で自信をつけていれば、対等な立場で面接を受けることができますが、自信がなければどうしても下手に出てしまいがちです。

実際の職務経歴書の書き方については、「【オンライン研修レポート】ゲームクリエイターの転職で大切な応募書類(後編)」でご紹介します。

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