派遣社員向け研修 ― 派遣社員向けプランナー研修<応用編>を受けてみた!

派遣社員向けプランナー研修<応用編>を受けてみた!

シリコンスタジオエージェントが、登録いただいたクリエイター(派遣社員)向けに行っている研修のひとつに「ゲームプランニング講座」があります。これは、ゲーム業界で多くのプロジェクトに携わり、現在も某社でAAAタイトルの開発に参加している現役の講師が、自身の経験を若手クリエイターに伝えるというものです。
今回は、ゲームの記事を多く手掛けているライターが、コンシューマーゲームのプランナーとして基礎的な知識を学んだ「入門編」に続き、「応用編<Day1>」を受講した様子をご紹介します。

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コンシューマーゲームの「企画のコア」を考える

講師の貫田将文氏は、今回の講座がプランナー向けに行う「応用編」の第1回であり、「入門編」から一歩踏み込んだ内容になること、第2回以降も、数回に分けてプランナーが携わる各パートを段階的に掘り下げる予定であることを説明しました。その上で、「Day1」のテーマは「シナリオ」「UI」であり、全9コマの約半分を実技課題にあてることを発表。コンシューマーゲームのプランナーを目指すクリエイター=受講者が、より実践的に学べる場であることを改めて確認したところで、最初の講義が始まりました。

まず行われたのは「入門編」の復習です。これは、今回初めて講座を受ける方と、前回から引き続き参加する方に、改めてコンシューマーゲームのプランナーが開発現場で担う役割を確認する内容となりました。

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第一に挙げられたのは、「企画のコア」の考え方です。貫田氏は、ゲームにおける「(ユーザーに届けたい)体験」「構成要素」の性質や関係性を「カフェ」に例え、企画を立案する際にまず考えるべきは「店舗の外観や接客スタイル、コーヒー豆の種類や食器などではなく、”どのようなひとときをお客様に過ごしてほしいか”」であると説明しました。その上で改めて「企画のコア」を練る際には、次の3点を段階的にかみ砕きながら考えていく必要があると説きます。

<企画のコアを考える手順>

  • テーマ:ゲーム全体を通じて描きたいこと。表したいもの。
  • コンセプト:ゲームの「概要」や「体験の核」を端的に表したもの。
  • ピラー(柱):ゲームのウリや軸となる主要な要素。

また、第三者に企画内容をプレゼンする術のひとつとして、「既存のゲームタイトルで例えるならば◯◯な××」というように表現する「『Xステートメント』という手法」も紹介されました。
ここでいう第三者とは、同じ開発チームの仲間はもちろん、企画にGoサインを出す立場の人も含まれています。どれだけ(自分の中で)おもしろい企画であっても、それを他者に理解されなければ意味がない。当たり前のようですが、意外と難しいことであることを再認識させられました。

また、ピラーとは、コンセプトを成り立たせるための柱であり、作品の核となる複数の要素を指します。第三者にゲームの内容を理解してもらうには、(考えた企画の)唯一無二のおもしろさを「ピラー(柱)として示す」必要があるそうです。これらの要素は、プロモーションの一端としてユーザーの目にもふれるものであり、ゲームのパッケージ裏や公式サイトなどに「キャッチコピー」や「ウリ文句」として書かれていることが多いので、それらを見て勉強するもおすすめとのこと。

ゲームシナリオ制作は自分の”琴線ポイント”を知ることから

一口にゲームシナリオといっても、シナリオ全体の統括やクオリティコントロールを行うシナリオディレクター、シナリオの本筋(メイン)部分を執筆するメインシナリオライター、サイドストーリーやクエスト単位の物語を執筆するサブシナリオライター、舞台となる世界のさまざまな設定を考えるワールドデザイナーというように、役割やポジションが分かれていることが一般的です。これは、コンシューマーゲームの開発現場、特にプロジェクトの規模が大きくなるほど分業が進んでいることを示しています。

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しかし、どのパートを担当するとしても、プレイヤーに「作品のテーマにつながる感情を抱かせる=感情設計をする役割である」ことは共通しています。そのためには、自分がグッとくる「心の琴線」を分析、自覚しておくことが大切です。まず、自分自身の心が動かされるポイントを知っていなければ、他者の心を動かすようなシナリオを書くことはできないといっても過言ではないでしょう。

こうしたシナリオを書くことも、プランナーに求められるスキルのひとつですが、いざ書くとなると難しいもの。作品全体の構成(フロー)ともいえるプロットを作るだけでも大変です。これらを設計および執筆できるようになるには、多くのゲームや他メディアのシナリオにふれ、既存作品のそれを分析するといった訓練を積み重ね、いわゆる「起承転結」や、配置→対立→解決という「三幕構成」といった物語の型(フォーマット)を理解すること。そして、作るゲームに適した手法を見つけることが大切です。

他メディアの脚本とは一線を画すゲームシナリオの作り方

ゲームのシナリオライターには、ほかの“物語を紡ぐ”職業とは大きく異なる点があると貫田氏は語ります。その違いとして、小説家や漫画家といった個人作家は企画や設定、ストーリーの細部に至るまで、自身もしくは少人数の裁量で完結できる場合が多いものの、ゲームのシナリオライターはあくまで開発チームの一員という立場であり、良くも悪くも裁量は限定されるものであると説明しました。関わるスタッフの人数が、時には数十から数百人に及ぶ場合もあるため、それらの人々と折り合いをつけながらシナリオを形にする柔軟性多様性が必要です。
また、ゲームのシステムや遊びの内容に合わせたシナリオやテキストを書く必要があること、仕様の変更が発生した際には大幅な修正が発生する場合があることも特徴で、必然的にゲームデザインや演出方面にも明るいジェネラリストであることが求められるそうです。これらを踏まえた上で、ゲームのシナリオを書く際のポイントを次のようにまとめました。

<ゲームのシナリオを書く際のポイント>

  • 自分自身の裁量のみですべてを決められるわけではない。多くの場合は、上流工程としてプロデューサーやディレクターの掲げるテーマや、ゲーム全体のコンセプトがあり、発注元が存在する。
  • コミュニケーション能力が必須。直接やりとりをすることが多いプロデューサーやディレクター、開発現場の人間だけでなく、例えば演者(声優やモーションアクター等)やメディアミックス先の作家、担当者等にも、しっかりとシナリオの内容を伝えなければならない。
  • 限られた文字数やプラットフォームごとに異なる表現力といった、「制限の中で作る」能力が必要。
  • 締め切りを守る。上流工程であることが多いシナリオの遅れは、プロジェクト全体の進行にも影響を及ぼす。
  • リテイクが多いことを受け入れる。
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世界観やジャンル、キャラクターなど、シナリオを構成する要素の中から、自分の得意とするものを見つけておくことも重要です。これが明確になっていることで、プロジェクト内で担当できる(シナリオの)パートが変わります。貫田氏は、これを「得意分野の棚卸」と表現していました。

また、ゲームのシナリオは、タイトルによって書き方も変わりますし、プラットフォームによって表現力も異なります。尺(長さ)はある程度決まっていますが、厳密ではないため、柔軟性の高いセリフを書く必要もあります。あえて、説明的なセリフを入れなければならないこともあります。
これらを全部頭に入れた上で、書く必要があるわけですが、普段から文章(シナリオ)を書き慣れていないと難しそうです。そこで、いくつかコツを教えてもらいました。

<シナリオを書く際のコツ>

  • 物語のテーマを一文で表せるような「力強くシンプルなもの」にする。
  • 主人公を主体的に行動させる。
  • 複数のキャラクターの描き分けは、物事に対するリアクションを含めて考える。
  • 受け手が共感できるポイント(欠点やこだわり、行動原理など)を探す。

コンシューマーゲームにおけるUIとUX

同一視されることもあるUIUXですが、あくまで別の概念であると貫田氏は前置きします。

  • UI=人(ユーザー)と対象をつなぐもの
  • UX=UIを経てつながったことにより、ユーザーが得る体験

その前提で考えた場合、コンシューマーゲームのUIは「HUD(ヘッドアップディスプレイ)」「メニュー画面」に大別できます。
HUDとは、ゲームのプレイ中、メイン画面に表示されているキャラクターの情報(HPやMPなど)やマップ、メッセージ表示などのこと。一方、メイン画面で何らかの操作を行って表れる別画面(キャラクターの詳細なパラメータ、装備画面など)すべてをメニュー画面といいます。
UI設計もプランナーの仕事のひとつ(実際にアートワークを含むデータ作成を行うのはUIアーティスト)であり、貫田氏によると「当たり前のことを当たり前のタイミングで適切に表示する」のが重要とのこと。プレイヤーにストレスを感じさせないことはもちろん、UIそのものを意識させることなく自然に遊べる(操作できる)ことが、プランナーが目指すべきUI設計です。

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一例として示されたのは、画面上にある「文字情報」でした。海外向けのタイトル(あるいは海外製のタイトル)は、日本国内向けのものより文字のサイズが小さくなっている場合があります。これは、「多言語翻訳」に対応するためです(多言語に翻訳した際、日本語テキストの数倍に文字数が増える場合があるとのこと)。
また、低年齢層を含む幅広いターゲットを意識したタイトルでは、文字数そのものを減らす調整がかけられている場合があるそうです。漢字で表現できるものが平仮名になっていることはよく見かけますが、より読みやすい大きさにして、文章も平易にする工夫が凝らされていることはあまり知られていません。今回の講座の受講者も、多くがスマホ向けアプリのプランナーで、担当しているタイトルでそこまでの調整をした経験がある方は少なく、驚きの声が上がっていました。

コンシューマーゲームのUI作成

ゲームのUIは、コンシューマー(据え置き型と携帯型)、スマートフォン、アーケード、VRと、プラットフォームによって大きく異なりますが、仕様設計から実際のデータを作成・実装する流れ自体は共通しているといえます。

<おおまかなUI作成の流れ>

  1. 仕様設計(プランニング)
  2. レイアウト
  3. モックアップ作成
  4. アートワーク&演出作成

このうち、2番目のレイアウトを行う際のポイントとして「根拠」が求められるそうです。なぜそのレイアウトになったのか、プレイヤーの視線誘導や、画面全体のバランスなどを説明できなければなりません。また、画面が切り替わっても類似した情報は同じ位置にそろえるといった配慮も必要です。「キャラクターのパラメータ表示」のように「複数画面で用いられる要素の表示位置」が、画面ごとにコロコロと変わったら、プレイヤーが情報を把握しづらくなります。

仕様設計面でこれらの課題をクリアしたタイミングで、実作業はUIアーティストにバトンタッチ。簡易的なUIデータ(モックアップ)が作成され、検証が行われます。実際に動かせるテストデータを用いることで、より良いレイアウトになるよう調整していくわけです。 その後、各データの色や形、フォントなどの精査とブラッシュアップが行われ、必要に応じてアニメーションやエフェクトを作成していくことで完成版へと近づけていきます。

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いずれの段階においても大切なのは、プランナーとアーティスト、プログラマーがコミュニケーションをとりながら作っていくこと。そして、「見やすさ」「わかりやすさ」「使いやすさ」の3点を忘れないこと。UIを設計する際の心構えを学んだところで、午前の講義は終わりとなりました。

実技課題(模試)に受講者全員が挑戦

お昼の休憩を挟み、午後の講義はより実践的な内容に変わります。
ゲーム会社で実施される「プランナー中途採用課題」の難度を想定した「オリジナル課題(模試)」として「ゲームプロットとゲームシナリオの作成」問題が示され、与えられた設定とあらすじを元に「プロット」をまとめた上で、「1つのシステム要素に対するチュートリアルと、1人の登場人物の紹介を織り交ぜたゲームシナリオ」を完成させることが受講者に課せられました。

<設定(一部を抜粋)>

  • 2019年の日本のような国が舞台。
  • 部分的に科学技術が発展している。
  • 主人公は14歳の男の子。
  • 故郷に5年ぶりに帰ってきた。
  • 同い年の幼なじみの少女と再会する。
  • 主人公は少女から「小型携帯端末」を手渡され、使い方も教わる。

これらをどう活かして「ゲームプロット(ゲームの流れ)」を作るのか。そして小型携帯端末の使途をプレイヤーに教える、いわゆるチュートリアル的なシナリオをどう構築するのか。物語が展開する場所や登場人物の言動はもちろん、その流れをゲームに落とし込んだ際の時間配分も含めて総合的に考える必要があります。課題に取り組む受講者に、貫田氏は「ゲームシステムの都合上、強引にでも説明しなければいけない事柄を、ゲームプレイを踏まえたチュートリアルとしてうまく消化する」「プレイヤーがどう介入するのかを考える」といったアドバイスを送ります。しかし、多くの受講者にとってかなりの難問だったようで、時間内(50分間)にクリアできた方はいませんでした。

続いて、「小型携帯端末のUIを考える」という課題が与えられます。プレイヤーがゲーム内で端末を開いたときのトップページのレイアウトを考え、余力があれば画面の遷移まで提示するという内容です。
画面にUIをどう出すのか総合的に考える必要があるほか、先程考えたシナリオに沿って、端末にどのような機能を持たせるかをイメージする必要もあります。
実際の中途採用課題よりも、一段階難度を下げたという貫田氏ですが、こちらも受講者は四苦八苦。やはり、時間内に仕上げられた方はいませんでした。

先述のとおり、シナリオとUIの課題の内容や難度は、ゲーム会社におけるプランナー中途採用課題の一部を想定して作られたものであるとのこと。つまり、こうした課題を一定水準以上のレベルで、時間内にクリアできなければ、プランナーとして転職をすることは難しいともいえるでしょう。
もちろん、すべての受講者にとって初体験となる課題でしたので、その分は割り引いて考える必要はあります。しかし、次回、次々回には、しっかりクリアできるように努力しなければ、自身のキャリアプランにも影響が出ることは確実です。

一人のクリエイターとして、さらに上を目指す方にとって、ここまで実践的な講義を受けられる機会は貴重なもの。シリコンスタジオエージェントでは、実践に即した研修を職種別に用意し、クリエイターのキャリアプランを支援しています。

講師紹介

貫田将文

約16年にわたり、コンシューマーゲーム開発を中心とした現場にプランナーとして携わる。大手ゲームメーカーの巨大なプロジェクトにも数多く参加。現在も某社にて新規AAAタイトルを開発中。

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