ゲーム開発最前線 ― Unreal Engineを深く知るための「UNREAL FEST」

Unreal Engineを深く知るための「UNREAL FEST」

すべてをゼロから構築するのではなく、あらかじめ用意されたソースを基にゲームを開発できる「ゲームエンジン」は、家庭用、PC、アーケード、スマートフォンのゲーム開発に欠かせない存在となっています。特に手がかかる(工数が多くなる)3Dの制作現場においては、今や使わないゲーム開発会社はないといっても過言ではないでしょう。中でも、世界的シェアを持つUnreal Engineは国内でも多くの開発会社が採用しており、業界のスタンダードとなっています。

Unreal Engineを深く知るための「UNREAL FEST」

しかし、世界中のクリエイターや開発会社が日々更新していくUnreal Engineの全容を知ることは難しく、自身が使いたい機能の技術情報を集めるだけでも相応の労力が必要です。そこで、Unreal Engineを展開しているエピックゲームズジャパンは、実際にUnreal Engineで制作された作品、そこで使われた技術を開発者自身が解説するクリエイター向けのイベント「UNREAL FEST(アンリアルフェス)」を開催してきました。

国内外の著名なクリエイターや現場の第一線で活躍する開発者によるセッション(講演)では、さまざまな応用例、問題解決策、開発秘話などが語られるほか、Unreal Engineを使用したゲームの展示、Unreal Engineに組みこむ外部ソフトウェアなども紹介されています。

「必要な情報は自分で探す」を、フォローするのがイベント

Unreal Engineの勉強には、自社の開発者同士の技術共有や、ソースコードが公開されている「GitHub」、利用者によるコミュニティーである「AnswerHub」といった方法が採られますが、社内共有には限界があり、ウェブ上で必要な情報を見つけるには相応の英語力があったほうが有利という問題がありました。
「UNREAL FEST」は、これらの壁を取り払い、他社のクリエイターと直接会って交流できる貴重な場となっています。このイベントを上手に利用することは、開発現場に大きなメリットをもたらすほか、クリエイターとしての自身の価値を高めることにもつながるでしょう。

開発者であれば基本的に誰でも参加できる「UNREAL FEST」ですが、会社にいわれてレポートを書くために参加し、ただ有名クリエイターの話を聞いて満足してしまうだけでは、イベントが持つ本来のパワーを活かしているとはいえません。そこで、イベントを主催するエピックゲームズジャパンに、「UNREAL FEST」の上手な利用法を教えてもらいました。

「UNREAL FEST」はUnreal Engineの公式勉強会

まずは、「UNREAL FEST」が、エピックゲームズジャパンにとってどのような位置付けのイベントなのかを聞きました。

――なぜUNREAL FESTを開催しようと考えたのでしょうか?

多くの人にUnreal Engineの魅力を感じていただくため公式勉強会として、2014年から開催してきました。参加人数は年々増えていて、皆様のご関心の高さに感謝しております。また、開発者や学生をつなぐネットワーキングの場としての懇親会も用意しています。

――開催場所を関西と関東に分けている理由はなぜでしょう?

興味を持っていただいているのに、東京まで来られない開発者や学生の方々が京都周辺に多くいらっしゃるため、京都でも開催するようになりました。

――講演者を選ぶ基準はありますか?

Unreal Engineを使った新しい技術やゲーム開発のお話をしていただける方を選ぶようにしてきました。より実践的、実用的な知識を伝える場合は、実際に実装した方など、開発の第一線のクリエイターをお呼びしています。

Unreal Engineを深く知るための「UNREAL FEST」

クリエイター的「UNREAL FEST」の活用術

続いて、一参加者として、イベント会場でどう過ごすのがベターなのかを教えてもらいます。

――参加者はどのように会場を回り、セッションを聞くのがおすすめですか?

講演と内容は、事前に「UNREAL FEST」の特設イベントサイトで確認できますので、参加したいセッションを決めておいてください。休憩中は協賛社のブースや株式会社ヒストリアが主催するゲームジャム「ぷちコン」のエントリー作品をプレイすることもおすすめです。
「UNREAL FEST EAST 2019」では協賛ブースのスタンプラリーも行われ、全部集めた方にはUnreal Engineのロゴステッカーをプレゼントしました。

――ゲーム以外の世界でもUnreal Engineは使われていますよね。

建築、映像、自動車などの分野はもちろん、インディーズやビジネスに関するセッションもあります。一例として「UNREAL FEST EAST 2019」では、エピックゲームズによる「エンタープライズ分野向けUE4最新機能のご紹介」、同じく「WEST 2019」では「プロシージャル技法による背景の自動生成 『1,000の和室』」というように、ゲーム以外のUnreal Engine活用術をご紹介しました。こうしたセッションを入り口に、Unreal Engineを知っていただくことも可能です。

――参加者同士、あるいは参加者と講演者、参加者と出展社の交流はどのように行われているのでしょうか?

休憩中のご歓談や、ランチなどをいっしょに過ごしていただくことをおすすめしています。また、スタンプラリーをきっかけに協賛ブースに足を運んでいただき、そこで新たな出会いが生まれることもあります。
セッション終了後の懇親会は、特に多くの交流機会が生まれるので、お時間が許すのであればぜひご参加ください。

Unreal Engineを深く知るための「UNREAL FEST」
Unreal Engineを深く知るための「UNREAL FEST」

これからの「UNREAL FEST」の形

最後に、「UNREAL FEST」の今後の予定について聞きました。

――2020年の「UNREAL FEST WEST」は中止となり、初のオンラインイベントとなりましたが、お休みするという選択はなかったのでしょうか?

Unreal Engineをご利用していただいている皆様から、新しい技術についてはもちろん、アナウンスしたばかりの「Unreal Engine 5」にも多くのお問い合わせをいただいております。従来の、会場をご用意しての開催は難しい情勢でしたが、Unreal Engineを勉強していただく機会はどうしても作りたかったので、オンラインで「UNREAL FEST EXTREME 2020 SUMMER」を2020年7月18日に実施いたしました。

――毎年秋に開催されてきた関東での「UNREAL FEST EAST」もオンライン開催になるのでしょうか?

Twitter特設サイトを更新していきますので、そちらで最新情報をご確認ください。

過去のセッションから業務に関連する情報を探そう

春の開催が恒例だった「UNREAL FEST WEST」は「UNREAL FEST EXTREME 2020 SUMMER」として初のオンライン開催となりました。「UNREAL FEST EAST」も現在の情勢を鑑みて、「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」として一週間に渡り毎日20時からゲームとノンゲームセッションを一講演ずつ公式Youtubeチャンネルで配信するオンラインイベントとして開催されることが決定しました。2020年11月12日(木) に発売されるプレイステーション5に「Unreal Engine 5」が対応していることが明らかになっている現在、少しでも新しい情報にふれておきたいゲームクリエイターとしては、見逃せないイベントであることは確かですので、ぜひチェックしてみてください。

「UNREAL FEST」は、サイト上に過去のほぼすべてのセッションの動画、講演資料が公開されています。もちろん、最新の「UNREAL FEST EXTREME 2020 SUMMER」の全セッションも公開されていますので、未体験の方はアーカイブからご自身の業務に関わるセッションを閲覧することを推奨します。

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