特集・企画記事 ― 任天堂・ゲームクリエイターが憧れる企業の魅力(3)多彩なラインナップ

任天堂・ゲームクリエイターが
憧れる企業の魅力(3)多彩なラインナップ

任天堂・ゲームクリエイターが憧れる企業の魅力(3)多彩なラインナップ

任天堂は、Nintendo Switchなどを販売するハードメーカーであると同時に、「マリオ」や「ポケモン」といった強力なタイトルを有するソフトメーカーでもあります。ハードウェアについてはファミリーコンピュータ(ファミコン)以降、多くのライバルが現れ、時には普及台数で負ける場面もありましたが、現在も変わらずトップランナーでいられるのはユーザーの要求に応え続けてきたソフトの力があったからです。
今回は、任天堂40年を超えるゲーム制作の歴史数多くのタイトルの中から、特に支持の大きいものをご紹介します。

新作発表のたびに大歓声が起きる「ゼルダの伝説」

1986年、ファミコンのディスクシステム用ソフトとして登場した「ゼルダの伝説」は、2023年にNintendo Switchで発売された最新作「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」まで続く、歴史あるアクションアドベンチャーゲームです。
1998年のNINTENDO64用ソフト「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は、「スーパーマリオ64」同様、その後の3Dアクションの基準となった記念碑的な作品となりました。以降、特に海外で開催される新作発表会には熱心なファンが駆け付け、大きな歓声とともに迎えられる看板タイトルとなっています。

新しい試みに挑戦していることもシリーズの特徴のひとつで、2001年に発売されたゲームボーイカラー用ソフト「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実」は、当時カプコンに所属していたゲームクリエイター・岡本吉起氏(「ストリートファイターII」や「モンスターストライク」のプロデューサーで知られる)が、初代「ゼルダの伝説」のリメイクを申し出たことで開発がスタートしました。
それまでも「スーパーマリオRPG」のように、いわゆるスピンアウト的な作品を他社と共同制作した例はありましたが、看板タイトルの正式な続編を任天堂以外の会社が制作したのは初めてのことです。また、2002年にニンテンドーゲームキューブで発売された「ゼルダの伝説 風のタクト」では「時のオカリナ」から続いていたリアル路線を一変、トゥーンレンダリングによるアニメ調のグラフィックを採用し、ファンに衝撃を与えました。

「スマブラ」生みの親が作った「星のカービィ」

1992年にゲームボーイで第1作が発売された「星のカービィ」も、2023年までほぼ毎年のように関連タイトルがリリースされ続けている人気シリーズです。開発元は、後に任天堂の社長を務めた岩田聡氏が所属していたハル研究所。「大乱闘スマッシュブラザーズ(スマブラ)」で知られる桜井政博氏が、1996年発売のスーパーファミコン用ソフト「星のカービィ スーパーデラックス」までディレクターを務めています。

愛らしいカービィと憎めないデデデ大王、颯爽と現れるメタナイト、どこか抜けているワドルディといったキャラクターはユーザーの心をつかみ、何でも飲み込んで自身の能力にする攻略要素たっぷりのゲーム性と相まって世界中でヒット。関連タイトルやリメイクも含め、2023年7月までに37作品が発売されました。中でも、2022年のNintendo Switch用ソフト「星のカービィ ディスカバリー」は全世界で646万本(※)という大ヒット作になっています。

箱庭の代名詞「どうぶつの森」は超ロングセラー

2001年、NINTENDO64で第1作が発売された「どうぶつの森」は、個性的などうぶつたちと各プレイヤーが村を自由に作っていく箱庭ゲームです。アクションや謎解きの要素がなく、ゲームオーバーも、明確なゴールもない新しいタイプの作品は、普段ゲームで遊ばない層にも広く愛されるシリーズに育ちました。

ほかのプレイヤーが作った村に遊びに行く要素も人気で、第1作こそROMカートリッジのやりとりが必要でしたが、2005年にニンテンドーDSで発売された「おいでよ どうぶつの森」からは、ネットワークに対応したことでより多くの村を巡れるようになり、現在ではゲームの枠を超えたコミュニケーションツールとしても機能しています。新作のペースが遅く、タイトル数はまだ少ないものの、2020年にNintendo Switchで発売された「あつまれ どうぶつの森」は、2022年4月から2023年3月の1年間に全世界で358万本、累計販売本数4,221万本(※)という超ロングセラーを継続中です。

キャラクターが失われる緊張感が魅力の「ファイアーエムブレム」

ゲーム開発支援ツールで任天堂と深い関わりのあるインテリジェントシステムズが制作するシミュレーションRPGが「ファイアーエムブレム」シリーズです。1990年にファミコン用ソフトとして発売された第1作「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」は、従来のシミュレーションゲームでは駒に過ぎなかったユニットにキャラクター性を持たせ、戦闘を重ねることで成長させるRPG的な要素を持ち込みました。

また、戦闘で死亡したユニットは基本的に復活できず、失われることによって展開が変わるなど、戦術面とストーリーが絶妙にリンクしており、緊張感のあるゲーム性の高さも評価されています。2023年にNintendo Switch用ソフトとして発売された最新作「ファイアーエムブレム エンゲージ」は国内外で161万本のセールスを記録(※)。ほかのタイトルに本数こそ及びませんが、根強いファンに支えられています。

国外の厚い支持層が引っ張る「メトロイド」

1986年にファミコンのディスクシステム用ソフトとして生まれたアクションゲームメトロイド」も、長い歴史を持つ看板タイトルのひとつです。2021年発売のNintendo Switch用ソフト「メトロイド ドレッド」までで5作品と、ナンバリングタイトルは少ないものの、ユーザーから厚い支持を受けてきました。

また、一人称視点のアクションアドベンチャーとして2003年にゲームキューブで発売された「メトロイドプライム」も人気を集め、スクロールアクションである本家「メトロイド」と並行してシリーズ化。2023年に登場した「メトロイドプライム リマスタード」は、日本国内のセールスが5万本と任天堂のタイトルとしては伸びていませんが、トータルでは109万本(※)も売れており、海外比重がとても高い作品となっています。

リアルタイムストラテジーにふれる第一歩となった「ピクミン」

2001年、ニンテンドーゲームキューブで発売された「ピクミン」は、比較的難度が高いリアルタイムストラテジー(RTS)を、かわいらしい見た目、単純化されたルールと操作で誰もがプレイできるようにした作品です。
第1作の発売時、日本では印象的な歌詞の楽曲をCMに採用するなど、新しいキャラクターとゲーム内容の普及が図られました。その後、2004年に「ピクミン2」、2013年に「ピクミン3」と続編が登場。いずれも大ヒットといえるほどの伸びは見られなかったものの、2020年にNintendo Switchに移植された「ピクミン3 デラックス」が人気となり、最新作「ピクミン4」も2023年、大きな期待を背負ってのリリースとなりました。

「スプラトゥーン」が大きく広げたTPSの可能性

どちらかというと遊ぶ人を選ぶジャンルであったTPS(3人称視点のシューティングゲーム)を、広く一般層にまで浸透させたのが、2015年に発売された「スプラトゥーン」です。
対応ハードであったWii Uは国内外で苦戦を強いられていましたが、全世界で495万本というメガヒットを記録(任天堂IR情報「Wii U主要タイトル販売実績」より)。こまめなアップデートや頻繁に開催されるフェスでユーザーを惹き付け、2017年に発売された「スプラトゥーン2」はハードがNintendo Switchに変わったことで爆発的なヒットとなります。2022年に登場した最新作の「スプラトゥーン3」は、国内だけで654万本、海外を合わせて1,067万本(※)という驚異的な売上を達成しました。

各社の看板キャラクターが集う「大乱闘スマッシュブラザーズ」

任天堂の人気キャラクターが、ゲームの枠を超えて戦う「大乱闘スマッシュブラザーズ」(スマブラ)は、1999年にNINTENDO64で発売されました。
その後、ニンテンドーゲームキューブWiiニンテンドー3DSWii UNintendo Switchで1作ずつ発売され、いずれも大ヒット(特に最新作の「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」は全世界で3,109万本の売上(※)。スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」、バンダイナムコエンターテインメントの「パックマン」「鉄拳」、カプコンの「ストリートファイター」、コナミデジタルエンタテインメントの「悪魔城ドラキュラ」などのキャラクターが登場するなど、会社の枠を超えたオールスター対戦ゲームになっています。

遊びながら鍛える「脳トレ」「リングフィット アドベンチャー」

ゲーム機をゲーム以外の用途に使うことを提案し、2005年にムーブメントを巻き起こしたのが「東北大学未来科学技術共同開発センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」(脳トレ)です。また、2007年に発売された「Wii Fit」は、Wiiを使って体のトレーニングをする内容で、周辺機器ともども大ヒットしました。

どちらもシリーズは継続されており、特に2019年のNintendo Switch用ソフト「リングフィットアドベンチャー」は、2023年3月までに全世界で1,538万本(※)を売り上げるロングセラーになっています。ゲーム機を作り、そこで動くゲームを作る会社でありながら、ゲーム以外の需要を掘り起こし、それを定着させたことも任天堂の功績のひとつです。

既存のタイトルを展開しつつ新規タイトルも投下できる層の厚さ

マリオ」「ポケモン」という2大タイトルだけでなく、多くのメガヒットを生み出してきた任天堂は、世界のトップを走るソフトメーカーです。

特定のシリーズのナンバリングタイトルやスピンアウト、リメイクに頼るのではなく、新しいゲームやキャラクターの創出にも貪欲で、仮に商業的にうまくいかなくてもシリーズを断絶せず、見守り育てるゆとりもあります。
宮本茂氏を筆頭に、数多の作品に携わってきたクリエイターが後進を育てる環境、技術開発にかける資金面の潤沢さ、ハル研究所インテリジェントシステムズをはじめとする協力関係にある開発会社の数々…。盤石の体制が整っている任天堂は、これからもユーザーに新たな遊びを提供し続けるでしょう。

※任天堂「2023年3月期決算説明資料」(2023年5月9日)

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