特集・企画記事 ― 【ゲームの歴史 第二回】PSが1億台超えを連発!——ソニー編

【ゲームの歴史 第二回】
PSが1億台超えを連発!——ソニー

日本を代表する企業のひとつであるソニーが、コンシューマ―ゲーム機(家庭用ゲーム機)の世界に参入するきっかけとなったのは、任天堂のスーパーファミコンに接続するCD-ROMマシンを共同開発したことでした。ただ、このプロジェクトはリリースに至らず、幻に終わってしまいます。

しかし、ソニーはコンシューマ―ゲーム機(家庭用ゲーム機)を事業化することを決定。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)を設立し、1994年12月に初代PlayStation(PS:プレイステーション)を発売、一足先に発売されていたセガの「セガサターン」と激しいシェア争いを繰り広げます。一歩遅れていた任天堂も1996年6月に「NINTENDO64」を投入。いわゆる、次世代ゲーム機戦争へと突入しました。

初めは「バーチャファイター」「デイトナUSA」などの有力タイトルをリリースしていたセガサターンが優勢でしたが、PS陣営もナムコの「鉄拳」やカプコンの「バイオハザード」といった大ヒット作を次々と送り出して対抗。1996年に超人気シリーズの最新作となる「ファイナルファンタジーVII」が、PSで発売されることが発表されたことで一気にシェアを広げ、次世代ゲーム機戦争に終止符を打ちます。

その後も、2000年、2006年、2014年、2020年にPSの後継機を発売。そのときどきの最新の技術を盛り込んだマシンは多くのユーザーの心をつかみ、3機種が全世界の販売台数で1億台を超えるなど、コンシューマ―ゲーム機(家庭用ゲーム機)の世界をリードしてきました。現行機である「PlayStation 5」は、日本はもちろん、北米やヨーロッパで大きなシェアを獲得しています。

そこで、ソニー(SCE、SIE)がゲーム市場で現在の地位を築くきっかけとなった初代PlayStationから順に、代々のマシンの売れ方をチェックしてみました。

【ゲームの歴史】【ゲームの歴史】PSが1億台超えを連発!――ソニー編

PlayStation:強力なタイトル群でライバルを圧倒

1994年12月3日、SCE初のコンシューマ―ゲーム機(家庭用ゲーム機)「PlayStation」が発売されます。同時発売タイトルは8本、中でもアーケードから移植されたナムコの「リッジレーサー」は、最先端を感じさせるポリゴンによる3Dグラフィックで人気を集めました。同社はその後も「鉄拳」「エースコンバット」をはじめ、人気タイトルを続々発売し、最初期のPS人気を支えていきます。ほかにも、コナミの「ときめきメモリアル~forever with you~」、カプコンの「バイオハザード」などもヒット。また、これまでゲーム開発に関わってこなかった企業(商社や映画配給会社、出版社など)がサードパーティーとして続々参入し、多彩なタイトルが店頭を彩りました。

ゲームの開発を行ってこなかったSCE自身も、クリエイター発掘企画の「ゲームやろうぜ!」を主催し、新たな才能をPSの開発現場に加えていきます。応募者の中には法人化する制作チームも現れ、この中から「XI[sai]」「どこでもいっしょ」といったヒット作が生まれました。また、自社の開発ユニットや近しい関係の開発会社から「グランツーリスモ」や「クラッシュ・バンディクー」など、現在に続く人気シリーズも生み出しています。

その後、スクウェアの「ファイナルファンタジーVII」、エニックスの「ドラゴンクエストVII」により、日本国内で不動の地位を獲得。海外でも任天堂やセガを抑えてPSがトップシェアとなり、「オーディオビジュアルのソニーからゲームのソニー」へと、企業の事業構造を変える存在となりました(PSの販売台数は全世界で1億240万台超)。

ポケットに入れて持ち運べる「ポケットステーション」

ポケットステーション(ポケステ)は、1999年1月23日に発売されたPDA(個人用の携帯情報端末)で、液晶モニターとボタンを追加したメモリーカード(PSでゲームデータの保存に使われていた媒体)です。ほとんどの対応タイトルはミニゲームが遊べる程度でしたが、「どこでもいっしょ」や「ファイナルファンタジーVIII」のように、ポケステならではの要素を盛り込んだものもあり、2002年7月の生産終了までに490万台を販売するスマッシュヒットとなりました。

電源の問題はあるが持ち運べた「PS one」

歴代のPSは、形状や名称は変えずに一部仕様変更を行って販売する方式が採られています(型番が変わっていく方式)。価格を下げるために機能を省くケースがほとんどですが、2000年7月7日に登場した「PS one」は、当時の現行機だった型番のPSと同等の機能を持ちながら、丸みを帯びた独自デザインの廉価版でした。
発売当時の価格は1万5,000円、2001年には9,980円に引き下げられています(その後オープン価格に変更)。専用の液晶モニターも販売され、持ち歩くことができるPSとして人気を集めました。

PlayStation 2:世界で一番売れた家庭用ゲーム機

セガの「ドリームキャスト」発売から約1年4ヵ月後の2000年3月4日、第6世代のゲーム機として発売されたのが「PlayStation 2(PS2)」です。独自開発のグラフィックスシンセサイザー、東芝と共同開発したエモーションエンジンを搭載し、ムービーとプレイ画面で品質に差を感じさせない映像を実現。メディアにDVDを採用したことで、大容量のゲームを遊べるようになりました。

初代のPSで開発会社の信頼を得ていたこともあり、「リッジレーサーV」や「ストリートファイターEX3」など、本体と同時発売された10本はすべてサードパーティー製。その後も、「鉄拳タッグトーナメント」「デッド オア アライブ2」「アーマード・コア2」「真・三國無双」などのタイトルが初年度である2000年中に発売されるなど、不動のラインナップで先行するドリームキャストを抜き去り、全世界で1億5,500万台という販売記録を作りました(コンシューマ―ゲーム機として現在もPS2が世界一の販売数)。また、すでに多数のPSタイトルを所持していたユーザーにとって、それらがすべて遊べる互換性があったことも見逃せないポイントです。

ゲーム機として人気のPS2ですが、DVD再生機として購入した人も少なくありません。DVD再生機としては、当時安価(3万9,800円)だったことに加え、映画「マトリックス」の大ヒットもあって、PS2をきっかけにVHSからDVDへの転換が一気に進みました。

モデルチェンジと低価格化で市場を独占

PS同様、仕様変更を行いながら細かくモデルチェンジを行う方式が採用されたPS2ですが、同時に本体価格を下げていったことも普及に拍車をかけました。2001年4月18日に発売された「SCPH-30000(型番)」は、発売当初はオープン価格、約2ヵ月後の6月に3万5,000円、11月には2万9,800円とプライスダウン。2003年5月15日に登場した「SCPH-50000」は2万5,000円でしたが、同年11月に1万9,800円まで下げられています。

2004年11月3日に発売された「SCPH-70000」では、前モデルと同じ1万9,800円でしたが、本体が薄くなってデザイン性がアップしました。PS2の最終モデルは2007年11月22日発売の「SCPH-90000」で、価格は1万6,000円。初代PS2の半額以下になっています。

発売元がソニー本社だった互換機「PSX」

2003年12月13日、SCEではなく、ソニー本体から発売されたのが「PSX」です。PS2にHDD搭載のDVDレコーダーを付加した製品で、「楽しさをプロデュースするDVDレコーダー」として売り出されました。発売時の価格は160GBモデルが7万9,800円、250GBモデルが9万9,800円と高価だったこともあり、ヒットには至らず、2005年4月15日に発売された4モデル目で短い歴史に幕を下ろしています。

PlayStation Portable:PS2クオリティ-を携帯できる喜び

任天堂の「ゲームボーイアドバンス」が市場を独占していた2004年12月12日、SCEが投入したのが「PlayStation Portable(PSP)」でした。PS2とほぼ同等のグラフィック性能無線LANUSBポートによる拡張性、UMDという新しい光ディスクメディアなど、携帯ゲーム機の常識を覆す機能を持つPSPは全世界のゲームファンに受け入れられ、累計販売台数7,640万台というメガヒットになりました。

2004~2016年のあいだに1,400本を超えるタイトルが発売され、多くのヒット作が生まれたPSPですが、本体の普及に最も貢献したのは、カプコンの「モンスターハンター」シリーズです。2007年2月22日発売の「2nd」は240万本、2008年3月27日発売の「2nd G」が380万本、2010年12月1日発売の「3rd」は490万本と、シリーズを追うごとに販売数が増加。PSP躍進の立役者となりました。

ダウンロードに特化した「PSP go」

2009年10月1日に登場した「PSP go」は、PSPから独自のメディアであったUMDドライブを外し、遊びたいタイトルをダウンロードしてプレイするようにした姉妹機です。徹底した小型軽量化が図られ、記憶媒体もメモリースティック Duoよりさらに小さい「メモリースティック マイクロ」を採用。しかし、UMDのタイトル資産を活かせないこともあり、PSPからの乗り換えは進まず、2011年4月で出荷終了となってしまいました。

PlayStation 3:圧倒的な処理能力で精細な映像を実現

2006年11月11日、SCEがソニー、東芝、IBMと共同開発したCPU「Cell Broadband Engine」、およびNVIDIAと共同開発したGPU「RSX(Reality Synthesizer)」を搭載し、DVDを大幅に上回る容量を持つBlu-rayディスクを採用した「PlayStation 3(PS3)」が登場します。マイクロソフトの「Xbox 360」はすでに海外市場で地位を築き、約1ヵ月後に発売される任天堂の「Wii」が新しいゲームファンを開拓する中で苦戦したものの、最終的には全世界で8,740万台を超える成績を残しました。

ネットワークサービス「PlayStation Network」により、ユーザーごとに専用のアカウントが発行され、コミュニティーやマッチング、修正パッチの配布などオンラインならではの遊び方が提案されたことも特長です。特に、ゲームのやり込み度を視覚化した「トロフィー」のシステムは、ヘビーユーザーに好評でした。

その一方で、ゲーム開発の難度は上がり、開発費も必要となったことから、小規模な開発会社は実質参入できませんでした。結果、タイトルラインナップはPS2と比較すると弱くなり、国内ではミリオンセラーを達成したのが「ファイナルファンタジーXIII」だけになっています(全世界で見ると「グランド・セフト・オートV」の爆発的なヒットもありました)。

PlayStation Vita:性能を持て余す結果に

2011年12月17日、世界中のファンが待ちわびたPSPの後継機「PlayStation Vita(PS Vita)」が発売されます。タッチ操作が可能な有機ELディスプレイ、本体裏側のマルチタッチパッドモーションセンサーBluetoothによるネットワーク、ARにも対応するカメラと、多彩な機能を搭載。PS3のテレビ番組録画アプリ「torne」で録画した番組も視聴可能という、携帯ゲーム機の枠を超えたマシンでした。

しかし、専用タイトルがあまり発売されなかった上、ライバルである「ニンテンドー3DS」の圧倒的なシェアを崩せず、2019年3月をもって生産終了となりました。なお、PS Vitaが苦戦した理由として、スマートフォンが普及したことで携帯ゲーム機の需要が相対的に減ったことも挙げられます。

超小型の据え置き型ゲーム機「PlayStation Vita TV」

PS Vitaの普及にエンジンがかかっていない中、2013年11月14日に登場したのが「PlayStation Vita TV」です。PS Vitaのマルチタッチパッドはユーザーが意図しない動作をすることも多く、大きな不満点となっていたため、PlayStationのコントローラーである「DUALSHOCK 3」もしくは「DUALSHOCK 4」を接続して遊ぶようになっていました。それでも、携帯ゲーム機を据え置き型にしてプレイする需要は乏しく、2016年2月いっぱいで販売終了となります。

PlayStation 4:世界との垣根を越えるきっかけを創出

2014年2月22日、PS3の後継機として登場したのが「PlayStation 4(PS4)」です。AMD製のCPUに加え、GPUも大幅に強化、500GBのHDDを全モデルが標準搭載し、ネットワーク機能も拡充された新世代マシンでした。価格は3万9,980円でしたが、2015年10月1日に3万4,980円に変更。さらに2016年9月15日に発売された小型軽量化モデル「CUH-2000」からは2万9,980円になっています。

全世界の販売台数は1億1,700万台と大台を回復。国内では「モンスターハンター:ワールド」を筆頭に、「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」「ファイナルファンタジーXV」「メタルギアソリッドV ファントムペイン」などがヒットしました。海外のゲームメーカーのタイトルも認知度を高め、「コール オブ デューティ ワールドウォーII」「バトルフィールド1」「レインボーシックス シージ」といったタイトルが売上ランキングの上位に入っています。

初めてのハイエンドモデル「PlayStation 4 Pro」

2016年11月10日、PS4の上位機種となる「PlayStation 4 Pro(PS4 Pro)」が登場します。CPUやGPUの性能アップ、メモリーの拡張に加え、画像出力がフルHDから4K対応になり、さらに高精細な映像を楽しめるようになりました。発売時の価格は4万4,980円(2018年10月に3万9,980円に変更)と、通常のPS4より割高ですが、高画質に対応した「PS4 Pro ENHANCED」表記のあるタイトルの表現力は圧倒的で、映像にこだわりの強いユーザーから高い評価を得ています。

超リアル時代を見据えた「PlayStation VR」

2016年10月13日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIC:2016年にSCEから社名変更)が発売したのが、PS4およびPS4 Proに対応したバーチャル・リアリティーヘッドセット「PlayStation VR(PS VR)」です。
VR(ヘッドマウントディスプレー)の普及のカギを握るのはゲームですが、PS VRはPS4やPS4 Proでの使用が前提ですから相性は抜群。対応タイトルも徐々に増えているほか、後継機の「PlayStation 5」でもそのまま使えることから、これからも販売台数を伸ばすものと考えられます。

PlayStation 5:PS史上最速で大台を突破した現行機

SCE時代も通じて、もっとも早く全世界の販売台数1,000万台、2,000万台を突破し、今なお品薄が続いているのが、2020年11月12日に登場した「PlayStation 5(PS5)」です。このままのペースが続けば、過去最高の販売台数だったPS2を超える可能性もある一方、供給タイトルの少なさは大きな問題といえます。特に、PS5独占タイトルはほとんどなく、「このゲームを遊ぶために本体を買う」という動機になっていません。

それでも、2022年10月現在、コンシューマ―ゲーム機としては最高峰の性能を持ち、現実と見まがうばかりの映像を体験できるPS5は、これから数年間、コンシューマ―ゲーム機の主役のひとつとして売れ続けることが予想されます。当然、対応するタイトルも拡充されていきますし、PS VRの後継機でPS5専用の「PlayStation VR2」が控えるなど、より豊かなゲーム体験が待っていることは間違いありません。

PS5は個人が世界と戦える最高の舞台

SIEが新しいPlayStationをリリースすることは、コンシューマ―ゲーム機の表現力のレベルが1つ上がることを意味しています。世界的なオーディオビジュアルメーカーであり、映画会社を持つソニーグループとして、「より良い映像体験」を届けることが基本にあったからかもしれません。
それまで慣れていた映像とは明確に異なる表現に、世界中のゲームファン、ゲームメーカー、開発会社、クリエイターが驚き、いつしかそれがゲームの標準になっていきます。現行機であるPS5が実現した世界は、やがてコンシューマ―ゲーム機の(映像の)常識となり、次に来るであろう「PlayStation 6」で、またひっくり返されることは確実です。

一方、PS5は確かに過去のシリーズを凌駕する勢いで売れていますが、各家庭にまんべんなく普及しているとはいえませんし、現実世界の延長であるかのような映像の専用タイトルも、まだユーザーの欲求を満たすほど揃っていません。ゲームが表現できる世界がリアルになればなるほど、クリエイターに求められるものも大きくなります。結果、開発期間は延び、必然的に開発費も高騰、世界でも限られたゲームメーカーだけが参加できる場所になってしまいました。

それでも、SIEは「PlayStation インディーズ」を支援することで、個人や小さな開発会社によるゲーム制作を助けています。小規模だからこそできる表現や大手では実現不可能なゲームも生まれてくるでしょう。資金がなくても技術やアイディアがあれば、世界に打って出ることも可能になりました。

スマートフォンの登場以来、コンシューマ―ゲーム機は据え置き型も携帯ゲーム機も難しい状況になっていますが、映像表現で世界中のユーザーを驚かせるのであれば、やはりハイエンドなマシンであるPS5は最高の舞台のひとつです。もし、開発現場に携わる機会が訪れたなら、そのチャンスは逃さないようにしてください!

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