特集・企画記事 ― もう読んだ!?ゲーム関連マンガのおすすめタイトルを紹介【クリエイター編】

もう読んだ!?ゲーム関連マンガのおすすめタイトルを紹介【クリエイター編】

ゲームを主題にしたマンガは、1970年代末の「ゲームセンターあらし」を皮切りに、約40年のあいだに多くの作品が生まれてきました。マンガがゲーム化されることも、ゲームの歴史とほぼ同じといっても過言ではありません。いわゆるサブカルチャーの中でもゲームとマンガはファン層が近く、親和性が高いものとして知られています。

ゲームクリエイターを題材とするマンガも増えています。かつては、いわゆるスタークリエイターが大人気タイトルを作るまでを描いたものが目立ちましたが、もっと開発現場に寄り添ったほうが「知られざるゲーム開発の現場(姿)」という印象を与えるためか、プログラマーやグラフィッカー個人、あるいは開発会社を主軸にする作品が人気のようです。今回は、そのクリエイター視点で描かれた4作品をご紹介します。

特集・企画記事 ― もう読んだ!?ゲーム関連マンガのおすすめタイトルを紹介【クリエイター編】

NEW GAME!

NEW GAME!

©得能正太郎・芳文社

著者 得能正太郎
出版社 芳文社
定価 819円+税
URL http://houbunsha.co.jp/comics/detail.php?p=%A3%CE%A3%C5%A3%D7%A1%A1%A3%C7%A3%C1%A3%CD%A3%C5%A1%AA

子供のころ、夢中になって遊んだ「フェアリーズストーリー」を開発した株式会社イーグルジャンプに就職した主人公・涼風青葉が、ゲーム開発の現場で成長していく物語。掲載誌が「まんがタイムきららキャラット」ということもあり、本作ももちろん四コマで描かれています。いわゆる起承転結の四コマ(1話)で、完結するのではなく、大きなストーリーの一部分(エピソード)を切り取っているような作りが特徴。まとめて読むとゲームの制作が(紆余曲折もありながらも)進んでいたり、周りの人々のキャラクターがはっきりしてきたり、主人公が成長していることがわかったりという内容となっています。

主人公の青葉は、駆け出しグラフィッカーとして入社後、ゲーム開発の現場で起こりうるさまざまな問題に直面していきます。時にはゲーム制作上の、時は個人の問題を、チームのメンバーや後輩の助けを借りながらクリアしていくようすは、まさにゲーム開発会社(ディベロッパー)ならでは。これら、開発現場の日常や、会社員としての苦労や心情をリアルに再現できているのは、作者がゲーム開発会社に勤めていた経験も活きているのでしょう。

登場人物は、かわいい女の子ばかりの「かなり男性向け」な作品ですから、その外見で避けている人もいるかもしれません。しかし、青葉の成長を自分事として読めるグラフィッカーやキャラクターデザイナーをはじめ、ゲーム開発に携わる人の共感を呼ぶストーリーは骨太で読み応え十分!未読の人はぜひ1巻から…読んでほしいぞい!

エロゲの太陽

エロゲの太陽

©Toshikiri Hamamura Mikado Muramasa 2014

著者 はまむらとしきり/村正みかど
出版社 小学館
定価 552円+税
URL https://www.shogakukan.co.jp/books/09186604

商社でエリート街道を歩んでいた主人公(神田太陽)が、社内政治に敗れて失脚。失意の彼を救ったのは、社員が女性だけのアダルトゲーム(エロゲ)開発会社を経営する女社長だった!商社時代とはまったく異なる立場に置かれた主人公は、当初は戸惑うものの、この世界(アダルトゲーム界隈)の悪しき慣習やひどい取引先、ブラック企業らに立ち向かい、ひとつずつ問題を解決していきます。

「本当にこんなことが起きるの?」「そこまでひどい人間はいないでしょう」という苦難の連続ですが、それぞれのエピソードは、実際のアダルトゲーム開発現場に取材して構成されたそうで、完全なフィクションではありません。関係者が読むと、「あの会社のこと!?」「あのプロデューサーだ!」「そういえば聞いたことがある…」という反応になりそうですが、ゲーム開発(特にアダルトゲーム開発)の現場を知らない読者にとって業界の裏を垣間見ることができる貴重な作品といえそうです(もちろん、マンガはフィクションですから、ここまでひどい目に遭うことはないと信じたいところではあります)。

なお、本作の連載終了後、作者はクラウドファンディングを利用して続編ともいえる「スマホゲームの大地」を発表。こちらはタイトルどおり、スマートフォンのゲーム(アプリ)開発の舞台裏を描いたもので、綿密な取材に基づいた作品となったようです。

若ゲのいたり~ゲームクリエイターの青春~

若ゲのいたり~ゲームクリエイターの青春~

©田中圭一・DWANGO

著者 田中圭一
出版社 dwango
定価 1,000円+税
URL http://news.denfaminicogamer.jp/tag/若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜

1980年代にアニメ化された「ドクター秩父山」で人気となり、その後、手塚治虫をはじめとする有名マンガ家のパロディーで注目を集め、2018年にドラマ化が発表された「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」といった広く社会に問う作品まで、幅広い作風で知られる田中圭一。おもちゃ会社やゲームメーカーでの勤務経験を持つ氏が、大ヒット作を手掛けたゲームクリエイターに取材。開発の苦労やヒットした要因の分析、その後の展開などを聞き出しつつ、知られざる裏話もほじくるドキュメント(インタビュー)マンガです。

登場するクリエイターは、「ファイナルファンタジー」の坂口博信、「アクアノートの休日」の飯田和敏、「龍が如く」の名越稔洋、「MOTHER」の糸井重里、「星のカービィ」の桜井政博ら。いずれも、各時代を代表するタイトルの開発者であり、現在も第一線で活躍している人ばかり。本作では、彼らが「なぜその作品を作ろうと思ったのか」「どういう意図が込められていたのか」など、ユーザーが本当に知りたかった話題に切り込み、期待以上の回答を引き出しています。

また、大ヒットの裏には、社内調整やユーザー・小売店などの低評価、停滞する開発現場など、多くの課題を抱えていたことも事実。そういった事情も包み隠さず明かされ、まさに“作品の裏”を知る物語に仕上がっています。連載している「電ファミニコゲーマー」は、かつてゲーム専門誌が担っていた“濃い”ゲーム情報を集めたサイトですが、その中にあっても一際異彩を放つ本作。2019年5月現在、18人のエピソードが掲載されています

これだからゲーム作りはやめられない!

これだからゲーム作りはやめられない!

©Takashi/SQUARE ENIX

著者 たかし♂
出版社 スクウェア・エニックス
定価 818円+税
URL https://magazine.jp.square-enix.com/top/comics/detail/9784757561298/

ゲームアプリの制作会社を舞台にした本作。pixivでの発表をきっかけにクリエイターからの反響を集め、遂に書籍化がなされました。
アプリゲーム運営の締め切りに追われ、残業続きの毎日を送りゲーム作りへの情熱を失いつつあった、28歳のゲーム2Dデザイナー・飯島めぐみは他部署から異動してきた後輩・南拓也に振り回されるうち、忘れかけていた「情熱」を取り戻していきます。

作者は実際にゲーム会社に勤めていた経験があるようで、リアリティ満載の「あるある」ネタから、クリエイター魂を揺さぶる「ゲーム作りの本質」まで読み応え十分の内容となっています。

また、単行本ではpixivでは公開されていない「エピソード・ゼロ」を含めた30ページ以上の描き下ろしも収録されています。

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