転職活動で重要になるのは、自分の能力や人柄、経験や伸びしろなどを、しっかり企業の採用担当者や同じプロジェクトで働くことになるメンバーに伝えることです。いわゆる「自己PR」にあたる部分ですが、これを企業に伝える手段は「応募書類(履歴書と職務経歴書)」と、採用担当者らと直接話をする「面接」の2つしかありません。この2つで自分の魅力を伝えることができなければ、転職が成功する確率は大きく下がってしまうでしょう。
エンジニアが転職を考えたときも、やはりこの2つがカギとなります。どのような書き方をして、それをどう説明すると良いのか。それぞれのポイントを解説しますので、転職活動の参考にしてください。
履歴書や職務経歴書にしるす自己PR文は、学歴や転職歴、所持している資格、関わってきたプロジェクトからは見えない個人の強みや魅力を、パーソナルな部分を含めて伝えることができます。しかし、どれだけ能力があって、魅力あふれる人物だったとしても、自己PRとして良い文章になっていなければ、書類選考を通過することは難しいでしょう。
エンジニアは日頃から文章を書く仕事ではありませんから、履歴や資格、趣味などの部分は簡単に埋められても、自己PRのところで筆が止まってしまうこともあるでしょう。そこで、まずは応募書類に書く自己PR文を、どのように構成していくべきかをまとめました。
まずは職務経歴書にしるした「これまでに所属した企業」を、メモ用紙などに書き写します。そして、それぞれの企業でどんな仕事をしてきたのかを思い出しながら書き出してください。このとき、ただ関わったプロジェクトを羅列するのではなく、その中でどのような役割を担ったのか、実際に担当した部分は何なのか、細かく振り返ってみましょう。
なお、誰もが知っている巨大なプロジェクトや表彰されるレベルの売上達成、業務の大幅な改善などインパクトのあるものを並べようとする必要はありません(そういう実績がたくさんある場合はもちろん書いてください)。後から見ると実は効率化につながっていたことや、既知の技術の応用、限られた人材(機材)の活用など、日常的なものでも構いませんので、まずは過去の自分(の仕事)を振り返る作業を行います。ちなみに、失敗談でも構いません(その場合、いかにしてそれを乗り越えたのかが大切になります)。
集めた実績の中から、転職先で活かせそうなものをピックアップします。選んだ実績の内容(プロジェクトの概要、そのときの自分の行動、それによる成果)を一文にまとめてください。もちろん、ただ昔話をまとめただけではいけません。実績にからめて、転職先(で行う仕事)への意欲を盛り込むようにしましょう。
文章は短くても長すぎても読み手の印象に残りませんので、400文字程度にまとめるのが基本です。多くの実績を羅列するのではなく、転職先の仕事と関係が深そうなものを2~3個選ぶといいでしょう。1つではなく複数の実績を書くことで、採用担当者に興味を持ってもらえる可能性が広がります。
書き上げた満足感でいっぱいになり、そのまま本番の用紙に書き出すのは避けましょう。誤字脱字はもちろん、事実誤認や誇張、わかりにくい表現がないか「推敲」する必要があるからです。できれば、一晩置くなど時間をあけ、リセットした状態で読み返すことをおすすめします。そして、前述のような問題がないと確信が持てたら、実際の応募書類に取り掛かってください。
エンジニアの場合は、自分のスキルの中から転職先で活かせそうなものを打ち出し、さらに自発的にスキルアップをする姿勢を書くことが重要です。特に、インフラエンジニアは関わったインフラの規模が重視されやすいので、大きなシステム基盤の開発経験、多数のエンジニアが参加したプロジェクト(50名以上だとなお良い)、利用者の多い基幹システムなどに携わった人は、それらを盛り込むようにしてください。
サーバーエンジニアも同様に規模が重視されますが、設計や構築などのアーキテクチャー経験があることもアピールポイントになります。こういった経験がある人は、書くようにしましょう。
具体的な事例に対してのアクションとその成果が明確になっていて、さらに転職先でその経験をどう活かすかまでを示した自己PR文に対し、面接でまったくふれられないということはまずないでしょう。ですから、自身で書いたことをしっかり説明できるよう、応募書類の複製を手元に残し、何度も読み返して頭に入れておくことが大切です。
応募書類に書いた自己PRは、あくまで書類選考を通過するためのものです。どれだけ労力をかけても、実際の面接では「技術面の話ばかりで全然聞かれない」ということもありえます。しかし、自身の経歴を改めて見直し、書き出してまとめ、何回も読み返した経験は転職活動において極めて重要です。例えば、職務経歴書には書いたものの、自己PRでは一切ふれなかった経歴(プロジェクト)に面接官が興味を示したとき、ただの経歴の一部ととらえていた人には適切な応答をすることは難しいでしょう。面接で予期しない質問が出される場面は往々にしてありますが、繰り返し経歴と向き合っていれば、慌てることなく対処できるはずです。書類の添削や志望企業の面接対策などは、キャリアコーディネーターと相談し、しっかりと練っておくことをおすすめします。
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