ゲームの開発や運営に携わる職種の中で、採用する企業側に最もきびしく応募書類の文章をチェックされるのがゲームプランナーといえるでしょう。その理由は、ゲームプランナーがゲームの企画を立て、それを資料にまとめて上司や会社全体にプレゼンを行う立場だからです。
ゲームプランナーが作成したプレゼン資料がいい加減では、いくらおもしろいアイディアであっても、限られた予算や貴重な人的リソースをかける企画とは受け取られません。ヒットが約束された続編を作る場合や、実績のある一部のゲームプランナーを除く大半の人には、「まともな資料を作り、それをプレゼンする」能力が必要なのです。
その第一関門となるのが、転職希望者が作成した「みずからのプレゼン資料」である履歴書や職務経歴書ということになります(応募条件に含まれる場合はオリジナルの企画書も含む)。この段階で採用担当者が満足できる書類が作れないようでは、面接への道は閉ざされたも同然。文章を作るプロであるだけに、説得力のある「志望動機」や「自己PR」を用意する必要があるのです。
ゲームプランナーが書く自己PRには、「簡潔」かつ「論理的」で「程良い文章量」にまとまっていることが求められます。これまで関わってきたプロジェクトについて、その時々の役割や課題の克服方法、工夫してうまくいったことなどを、端的な言葉で読ませるようにしましょう。文章力に自信があるからといって、冗長な表現が増えたり、具体的でない内容ばかりになってしまったりすると「×」がついてしまいます。どれほど有名でヒットした企画に携わっていたとしても、A4の用紙1枚に収まるようにしてください。
もちろん、文中に誤字脱字があるのはNGです。提出前に何度も読み返し、完全に排除するようにしましょう。最近は優秀なツールもありますので、それらを駆使したり、転職エージェントに相談し添削してもらったりすることも有効です。自分の目だけでは見つけられないミスをつぶし、より的確な表現に書き換えるようにしてください。
誤字脱字と同じくらいダメなものとして「ネガティブな表現」が挙げられます。会社や同僚の悪口、かつて関わったプロジェクトで失敗したことへの不満、給与や勤務時間など待遇面に至るまで、現在や過去を悪く言うような表現はやめましょう。そういった要素がどうしても必要という場合は、「そういった中でもこのように工夫している」「改善に向けて動いている」というように、マイナス面を前向きにとらえていることが伝わるように書くことが大切です。
面接では、職務経歴書に書かれているプロジェクトでの取組み方だけでなく、志望動機や自己PRを基にした質問をされるケースがほとんどです。当然、自分が書いた内容を頭に入れておく必要はありますが、ただ暗記した内容と想定問答に沿って答えるだけではいけません。応募書類に書いた自己PRは「面接に進むためのもの」と割り切り、文面では端折ったエピソードや具体的な数字を盛り込んだ実績などを加えましょう。
また、ゲームプランナーは次のステップであるディレクター、そして予算を動かす立場であるプロデューサーへの入り口と考えている企業(人)が多いといえます。実際にそのようなキャリアプランを考えている場合は、過去のマネジメント経験や進捗管理、予算や目標の達成状況とその結果に至った経緯の分析など、ただ「おもしろいゲームの企画を考える」だけでないことをアピールしましょう。
このとき注意したいのは、実績を強調したいがあまり、能力を高く売り込みすぎないことです。転職先の企業でやりたいこと、今後の見通し、自己研鑽のことなど「意欲」を見せる姿勢は大事ですが、過去の「自慢」を独りよがりにされても面接官は「良い」とは思いません。数値的な裏付けが必要な売上やユーザー数(ダウンロード数)は、具体的な数字を示す必要があるものですが、それらは個人に属するものではなく、プロジェクトに関わったすべての人の実績だからです。
自分の書いた自己PR文がOKなのか、よく分からない場合は、キャリアコーディネーターに相談してみるのがいいでしょう。自分自身では気づけなかった穴を発見できたり、より良い表現を教えてもらえたりするかもしれません。
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