転職ノウハウ ― 3DCGデザイナーのポートフォリオ作成に必要なポイント

3DCGデザイナーのポートフォリオ作成に必要なポイント

コンシューマーやPCのハイエンドなゲームはもちろん、スマホアプリでもユーザーを獲得するために求められるのは高精度な3Dグラフィックです。 当然、それを制作する3DCGデザイナーの確保には各社が力を入れているので、転職を考えている人にとっては良い環境となっています。 しかし、自分の能力や実績をうまく伝えられず、書類選考の段階でつまずいてしまう人が一定数いるのも事実です。
そこで、3DCGデザイナーが転職活動をする上で最も重要な「ポートフォリオ」作成のポイントを徹底紹介。人事担当者やデザイン部門の採用担当が目を惹くポートフォリオの作り方を解説します。

3DCGデザイナーのポートフォリオ作成に必要なポイント

3DCGデザイナーに求められる技術

ゲーム制作会社が3DCGデザイナーに求める能力は多々ありますが、次の5つを持っていることは必須といえます。 自分のスキルを今一度見直し、ポートフォリオで強みにできる部分をアピールできるようにしましょう。 最後に挙げるコミュニケーション能力はポートフォリオには記載できませんが、重要視する会社が多いので、面接などでしっかり話ができる人間であることを伝えることが大切です。

デッサン能力

3DCGデザインは2Dデザインとは異なり、リアルなモデリングを行う必要があります。ただ、立体的であるだけでなく、違和感のない表現が求められますし、人物や動物はまるで生きているかのような存在にしなければなりません。 髪の毛や衣装など動きのある部分は滑らかに、地面や建物などは硬さや質感の再現も求められます。
しかし、3DCGデッサンの基礎になるのは、「物を的確に捉えるデッサン力」です。 採用担当者は完成した3DCGだけではなく、2Dのデッサンを見て造形力や観察力を測っています。デッサン力は日々の鍛錬で上げられるものですから、日頃からスケッチを欠かさないようにすることが重要です。

美的センス

3DCGデザイナーとして精度の高いモデルを作成する技術は欠かせませんが、同時に人の心をつかむ作品を作ることも求められます。 映像を見て「すごい」「本物みたい」と思わせることも大切ですが、「このゲームで遊びたい」「このキャラクターを動かしたい」「この世界を冒険してみたい」と思わせるような作品を作ることが大切です。 そのため、あなたが表現したい世界観が伝えることを意識したポートフォリオ作りが必要です。3DCGにおけるセンスは先天的なものがすべてではなく、流行のデザインなどをキャッチアップすると磨くことができます。より良いものをたくさん見て取り入れていく姿勢を忘れないようにしましょう。

空間構成力

3DCGデザイナーには、ゲーム内のあらゆる造形(キャラクター、オブジェ、天地など)を1枚の平面に存在するものとしてではなく、3次元空間に存在するものとして把握する能力が求められます。 採用担当者はこの能力の有無を、ポートフォリオに掲載された3DCG作品や多面体のデッサンや顔の面取りなどで判断しています。

モデルの負荷対策

あらゆるデータは重くなればなるほど、読み込み時間は長くなります。特に、スマートフォンはメモリの容量が限られているため、容量の大きい高精細なモデルを展開しようとすると、ゲームの安定稼働に影響を及ぼす可能性があります。 そのため、3DCGデザイナーには、高水準のグラフィックを表現する技術と同時に、きれいなモデルを低容量で作成する技術も求められているのです。

コミュニケーション能力

3DCGデザイナーだけにいえることではありませんが、コミュニケーション能力は高いに越したことはないでしょう。 ゲームは一人で作るものではなく、同じCGセクションのメンバーと作り方を相談したり、リーダーに作品の意図を伝えたりする場面が毎日のように発生します。 さらに、同じタイトルに関わるプランナーやエンジニアに説明を求められることもあるでしょう。
自分が作るモデル(作品)の概要や制作意図、納期などをしっかり話せなければ、共同作業であるゲームづくりは苦しいものになってしまいます。 とはいえ、頻繁に人と話すことを求められるわけではありません。いっしょに働くメンバーを不快にさせない話し方や、状況をより良くしていくための話ができるかどうかが求められているのです。

ポートフォリオに記載すべきこと

3DCGデザイナーとして働いてきた人であれば、上記の能力は一定以上持っていることは間違いありません。 それでも、書類選考が通らないケースは多々あります。そこで大切になるのが、自身の能力をしっかり伝える手段=ポートフォリオです。 形式に決まりはありませんが、必ず載せたほうが良いポイントはありますので、それらを確実に押さえたポートフォリオを作るようにしてください。

静止画ポートフォリオ

3DCGのポートフォリオですので、モデルの全体像がわかるようにスクリーンショットを撮りましょう。人物の場合であれば、正面、横から見たところ、背面だけでなく、真上からの見下ろし、地中から見上げたもの。 さらに、顔や髪の毛、衣装などのアップや、表情の変化や動きをつけたポーズなども用意するべきです。ワイヤーフレームや原画も掲載しておくと、採用担当者に制作過程も見てもらえます。

動画ポートフォリオ(デモリール)

制作に携わってきた作品をまとめたデモリールを作るのがおすすめです。 もちろん、ただ動画をつなぐのではなく、作品のタイトルや担当パート、注目してほしいポイントなどをテロップで明示するなど、採用担当者にわかりやすい構成を心掛けてください。
また、制作の詳細(使用ツールや制作期間、制作経緯など)は作品ごとにまとめておき、ツールの進化に対応できていること、クオリティと納期を守れること、作品が目指したもの(制作意図)などを説明できるようにしましょう。

共通のポイント

自分のスキルを知ってもらうために、ポートフォリオには下記の情報を記す必要があります。
タイトルや担当したパート、使用ツールは当然ですが、何を担当したのか、どのような制約があったのか、そのモデル(作品)の良い点などをまとめておきましょう。掲載した全作品に詳細な情報を添えれば、採用担当者にしっかり見てもらえるだけでなく、面接時のスムーズな問答にもつながります。

<各作品(モデル)に添える情報>

  • プロジェクト概要(タイトル、プラットフォームなど)
  • 担当したパートの説明
  • 使用したソフトウェア(バージョンも記します)
    ※「Maya」「3dsmax」「Substance Painter」「ZBrush」「AfterEffects」「Photoshop」「MotionBuilder」「Houdini」「Unity」「Unreal Engine」「社内ツール」など
  • 制作期間(制作時間)
  • 完成までに至る経緯、工夫したポイント、注力した点など

3DCGデザイナーの職種別・ポートフォリオのポイント

一口に3DCGデザイナーといっても職種は多岐にわたるため、希望する職種に合わせてポートフォリオの内容を工夫することも必要です。 新たな職種にチャレンジする場合も、転職後に担当したい職種で役立つスキルを持っていることをアピールできないか、作品を見直してください。

モデラー(キャラクター・背景)

モデラーは、静止画のポートフォリオを提出するケースが多くなっています。2次元の原画から精細な3DCGを起こせることをアピールするためにも、原画は必ず載せるようにしましょう。 物体をしっかり捉えられることを示すには、さまざまな物のデッサンも欠かせません。デッサン→原画→3DCGという制作工程を、全部一人で行った作品があればベストです。

キャラクターの場合は、元になった原画と三面図を比較対象として並べることでスキルが伝わりやすくなります。 なお、原画や三面図を別のデザイナーが担当していた場合は、その旨を記載する必要があるので注意してください。 完成データだけでなく、ワイヤーフレームや仕様(ポリゴン数やボーン数、テクスチャなど)、制作ステップごとの画像も掲載するとスキルや得意分野のアピールにつながります。

モーション/アニメーション/エフェクト/VFX

モーション、アニメーション、エフェクト、VFXなど、動きのあるパートを担当する3DCGデザイナーのポートフォリオは、動画で用意すると実力が伝わりやすくなります。担当パートなどは、動画とは別にわかりやすいテキストを準備しておきましょう。

テクニカルアーティスト

デザイナーとプログラマーとの橋渡し業務がメインとなるのがテクニカルアーティストです。おもにデザイナーの業務効率化支援を行う職種ですから、各種DCC(Digital Content Creation)ツールに対するプラグインの開発実績や機能の内容をポートフォリオに記載し、問題を抱えていた業務がどのように改善したのかを端的に説明してください。

ポートフォリオを作成する際の注意点

3DCGデザイナーのポートフォリオに必要な情報と、職種別のポイントを押さえたら、全体の体裁を整え、提出方法や権利関係の処理などを行って完成度を高めていきます。
ポートフォリオは作ることが目的ではなく、採用担当者や現場の責任者に細部まで見てもらい、面接や採用につなぐための手段です。下記の注意点をクリアして、自身のスキルをしっかり伝えるものに仕上げましょう。

最新のタイトルから順に10~20点程度の作品を載せる

ポートフォリオに載せる作品は、直近のタイトルからさかのぼっていくことが基本です。ただ、シリーズ作品が中心で変化が見せにくい場合は、あいだを多少飛ばし、さまざまな作風に対応できることを示したほうが良い場合もあります。

また、掲載点数が多すぎると採用担当者の負担が大きくなりますし、少なすぎると情報不足で正しい評価が得られません。もちろん、職歴や関わってきたタイトル数によって個人差はありますが、3DCGデザイナーの場合、10~20点以内に収めることが適正といわれています。点数が足りないときは、個人で制作した作品を加えても問題ありません。

ポートフォリオはデータで提出する

コロナ禍になり、応募書類の提出から面接までをオンラインで完結させるケースが増えています。ポートフォリオもデータを送る方式が大半で、紙やDVDに出力した実物での提出はほぼ行われていません。このとき注意したいのが、データの形式です。

静止画ポートフォリオの場合、画像をフォルダにまとめて圧縮したものを送るのではなく、1つのPDFにまとめましょう。また、動画ポートフォリオには、採用担当者以外に見せてはいけない作品制作の裏側にあたる部分が含まれることがあるので、再生用のパスワード設定は欠かせません。
なお、YouTubeには限定公開の機能がありますが、Vimeoは動画にパスワードが設定できるのでより安全です。デザイン職だけでなく、人事部門の人もチェックするので、特定のアプリがないと開けないファイル形式ではなく、PDFやMP4など、誰でも閲覧できるフォーマットにしてください。

版権物は権利者の許可を得てから

ポートフォリオに掲載する作品(CGや原画など)の著作権は、基本的に所属時の企業が保持しており、制作者が自由に扱えるものではありません。自分自身のオリジナル作品以外を掲載するときは、当時の所属企業に連絡をして、許可を得る必要があるのです。許可を得ないまま掲載したポートフォリオが権利者や外部に漏れると守秘義務違反になるため、場合によっては訴訟に発展する可能性があります。いわゆる版権物に限らず、掲載する全作品の著作権者は必ずチェックするようにしましょう。

プロのアドバイスを受けてポートフォリオを作ろう

ポートフォリオは、応募者のスキルを示す唯一にして最高の情報ですから、求人を出したゲーム制作会社にとって、履歴書や職務経歴書以上に重要です。どれだけ華麗な履歴や大きなプロジェクトに携わっていたとしても、ポートフォリオが認められなければ、「面接したい」という連絡は来ません。

今回解説したポイントを押さえた上で、自分のスキルを最大限アピールできるポートフォリオを作りましょう。それでも、初めての転職や業界経験が少ない人が、採用担当者をうならせるポートフォリオを作成するのはたいへんです。
ゲーム業界に特化したシリコンスタジオエージェントには、多くのクリエイターの転職を成功に導いてきたキャリアアドバイザーが在籍しており、ポートフォリオはもちろん、応募する企業や職種に合ったアドバイスをさせていただきます。 転職を考えている3DCGデザイナーはぜひ登録をして、理想の転職を実現しましょう!

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