転職ノウハウ ― ゲームクリエイターのポートフォリオ その6

見本多数】ポートフォリオ作成前に、優れた参考例をチェック!

ポートフォリオは、履歴書と違い、決められた書式がありません。掲載する内容にも、ページの順番にも、作品の解説項目にも決まりはありません。自由なのはいいのですが、ゼロから作りますので意外とたいへんな作業となります。特にゲーム業界のデザイナーなどクリエイティブ職種の就職や転職では、ポートフォリオが選考において重要な役割を占めますので、どう作ればいいのか、不安になる方もいるかと思います。そういった不安を解消するには、多くの作例を見比べて自分なりの形を見つけることが必要です。そこで今回は、優れたポートフォリオが掲載され、作成の参考にできるサイトをご紹介します。

【見本多数】ポートフォリオ作成前に、優れた参考例をチェック! - ゲームクリエイターのポートフォリオ

まずは多くのポートフォリオを見て学ぼう

より良いポートフォリオを作るためには、まずWebに無数に公開されているポートフォリオの見本をチェックすることをおすすめします。ほかの人のポートフォリオを目にする機会はあまりありませんが、さまざまなものを見比べることで「自分なりの判断基準」を作り上げていきます。次の3ステップでチェックしてみてください。

STEP1 気になるポートフォリオをピックアップ

たくさんのポートフォリオを続けて見ていくうちに、良いと感じるポートフォリオと、それほどでもないと感じるポートフォリオを識別できるようになります。最初は細かい点よりも全体の印象を重視し、気になったポートフォリオをブックマークなどに残していきます。自分なりの良いポートフォリオの基準をつかむためのステップです。

STEP2 自分のポートフォリオのイメージを固める

さらに見ていくと、自分の作品に合いそうなテイストや、自分好みのレイアウトバランスなどもつかめてきます。全体の流れや作品の見せ方、ページ割りなど、全体の構成をどうするかという、イメージを固めていくステップです。

STEP3 細部のレイアウトをチェック

全体の構成が見えてきたら、気になったポートフォリオを細かく見ていきます。画像の大きさ、ホワイトスペースの広さ、バックの色、フォントの形やサイズ、プロフィールの書き方、作品の解説の長さなど、細部をチェックして、取り入れられるレイアウトを取捨選択します。

それらを総合して、自分のポートフォリオ作成に活用します。数多くのポートフォリオを見比べたことにより、当初より多くの引き出しができているはずです。

優れたポートフォリオを見比べることができるサイト4選

Web上には数多くのポートフォリオが見られる(公開できる)サイトが乱立しています。まさに玉石混淆の状態といえますから、その中から参考になる作例を見つけることは困難でしょう。そこで、比較的質の高いポートフォリオをチェックできるサイトをご紹介します。まずは、これらのサイトから、参考にできそうなポートフォリオを探してみましょう。

日本と世界のさまざまなポートフォリオがそろう
straightline bookmark

straightline bookmark

Webデザインの参考となるサイトを集めたWebサイトのギャラリーリンク集「straightline bookmark」。tagでportfolioを選べば、膨大な数のポートフォリオサイトが大きなサムネイル画像で表示されます。画像を押せば該当サイトへジャンプし、細部までチェックすることができます。ピックアップ対象となっているのは、日本のサイトだけではなく、海外のサイトも豊富にあります。大手の制作会社から個人のクリエイターまで、規模もさまざまです。バラエティ豊かなポートフォリオをチェックできることから、Webデザイナーなどの参考書的なサイトになっています。

デザイン意図のある洗練されたポートフォリオが並ぶ
MUUUUU.ORG

MUUUUU.ORG

縦長のWebデザインギャラリーサイトリンク集「MUUUUU.ORG」には、クオリティの高いWebデザインがそろっています。個性的なサイト名と同様、ピックアップされているサイトも、デザイン上の狙いを強く感じるオリジナリティあふれるスタイリッシュなものが多くなっています。こちらも、カテゴリーでポートフォリオを選ぶと、日本と海外のクリエイターやアーティストのポートフォリオがチェックできます。作品の画像が持つ力だけに頼らない、フォント遣いの巧みなサイトが多いので、文字もしっかり見せたいという方には大いに参考になるサイトです。

オリジナリティのあるポートフォリオがそろう
ARTNOC.COM

ARTNOC.COM

作品づくりの参考になる、優れたWebデザインをまとめたギャラリー型リンク集「ARTNOC.COM」。「作品・ポートフォリオサイト」のページでは、デザイナー、フォトグラファー、アーティスト、ミュージシャン、建築家など、クリエイターのポートフォリオサイトが数多く紹介されています。作家性の強い独特の世界観を持ったサイトを中心に、パワーのあるデザインが並んでいます。日本のクリエイターのポートフォリオばかりなので、文章も含め、細部までチェックしたい人にピッタリです。

元祖ビジュアル系SNSでチェック
Pinterest(ピンタレスト)

Pinterest(ピンタレスト)

ビジュアルが中心のオシャレ系SNSでは「Instagram(インスタグラム)」が有名ですが、インスタでポートフォリオを探せばモデルの宣伝写真ばかりが出てくるので、よりデザイン色の強い「Pinterest」をおすすめします。「portfolio」や「ポートフォリオ」に、「レイアウト」「デザイン」「業界名」「職種名」などを加えて検索し、表示された中から気になるものをチェックしましょう。一番おすすめの検索ワードは、「ポートフォリオ レイアウト」です。

プロが厳選!クリエイティブ職のポートフォリオをチェックできるサイト

次は、オウンドメディアの編集部や、デザイン系のブロガーが選んだ、クオリティの高いポートフォリオサイトを紹介した記事をご紹介します。

ポートフォリオをもっとカッコ良く!上手なポートフォリオサイト20選
ferret(フェレット)

ferret(フェレット)

Webマーケティング系のオウンドメディア「ferret」が選んだ、WebデザイナーやWebディレクターのポートフォリオサイト20選です。フリーランスのWebデザイナーやグラフィックデザイナー、アートディレクター、写真家、アーティストのポートフォリオが紹介されています。掲載されているのは、個人事務所や個人企業ばかりなので、個人の作品集である就職や転職用のポートフォリオの参考になりそうです。

ポートフォリオサイトの構成を考える!参考になる凄いサイト8個紹介
studio ksd

studio ksd

アニメ・イラスト・マンガ制作を行う「studio ksd」の記事では、イラスト寄りのクリエイターのポートフォリオサイトが紹介されています。イラストレーター、アニメーター、マンガクリエイター、キャラクターデザイナー、声優など、ゲーム業界や映像制作業界ともなじみの深いクリエイターばかり。イラストやCGの見せ方を工夫しているサイトが多いので、特にゲーム業界でデザイナー志望の方の参考になるでしょう。

ゲーム業界のためのポートフォリオのサンプル、お見せします

最後に、ゲーム業界で実際に評価を受けたポートフォリオを参考に、ゲームCGデザイナー向けのサンプルを作成してみました。ポートフォリオを作成する際に注意すべきポイントもご紹介します。

※以下のポートフォリオの内容は架空のものであり、実際のプロジェクト・期間・チーム構成人数等は異なります。あくまで、ポートフォリオのサンプルイメージとして許可を受けて使用しています。

UIデザイナー編

ポートフォリオのサンプル:UIデザイナー

※クリックで拡大表示

ゲームのUIデザイナーのポートフォリオの1ページです。プロジェクトの大きさや期間、使えるアプリケーションなど、しっかり文章で説明されています。ほかに注意すべき点は以下のとおりです。

<注意点>

  • 完成された製品データの場合、自分が担当した箇所がどの部分か、明確にわかるようにします。
  • 制作フローやコンセプト、工夫したことなどを箇条書きで説明していきます。例えば、イラストや素材の使い方(配置)で工夫した点、UIならではの設計に基づいたデザインのコンセプトは何かなどです。
  • ゲーム制作はチームプレイなので、チームメンバーからのフィードバックに対して、どのように解決、改善したかなどがわかると、さらに評価が高くなります。

2Dキャラクターデザイナー編

ポートフォリオのサンプル:2Dキャラクターデザイナー

※クリックで拡大表示

ゲームのキャラクターデザイナーのポートフォリオの1ページです。作業時間がラフ、線画、着色・仕上げに分けて記載されています。使用ツールも記載することで、実務スキルを測れる内容に仕上がっています。

<注意点>

  • どういったコンセプト・仕様(ディレクション)で作成したかという過程をまとめた説明文が、企業の知りたい内容となります。関連情報として、ラフ・線画・完成(着彩)の制作フローを、段階ごとの絵とともに掲載するとより良いものになるでしょう。
  • 制作時間や使用ツール、製品タイトルなど、データの仕様も記載しましょう。

3Dデザイナー編

ポートフォリオのサンプル:3Dデザイナー

※クリックで拡大表示

ゲームの3Dデザイナーのポートフォリオの1ページです。完成した作品と元になったイラスト、ワイヤーフレーム、テクスチャーなど、CG制作の工程ごとに見せています。

<注意点>

  • 3Dでの再現性の高さをアピールするため、原画がある場合は載せておきましょう。
  • 完成データのほか、ワイヤーフレームやテクスチャーなども掲載します。制作ステップごとの画像があることで、能力や得意分野がわかりやすくなります。
  • ポリゴン数ボーン数作業日数使用ツールなども記載しましょう。

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ここで紹介したのはあくまで一例であり、ポートフォリオに正解はありません。ポートフォリオという名称の、あなたの作品でもあります。国内外の優れた作品を参考にして、ぜひ就職・転職を成功させるポートフォリオを作りましょう。「作成したポートフォリオに自信がない」「自分のポートフォリオが志望企業に合っているか不安」など、客観的な意見が聞きたい場合には、キャリアコーディネーターに相談してみましょう。

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