ポートフォリオは、誰がどんなものを作ったのかをアピールするための資料です。つまり、ポートフォリオで最も重要なのは、「プロフィール」と「作品」だといえるでしょう。この記事では、その2大要素を突き詰めていきます。
プロフィールに入れるべき内容と入れないほうがいい内容、採用担当者の目を惹くプロフィールの書き方、職種別の内容の違いといった経歴のアピール方法のほか、載せるべき作品の選び方や最適な個数など、作品セレクションの方法をご紹介します。
プロフィールは、ポートフォリオの重要な要素です。業務委託など、アウトソーシングする場合は作品優先の場合もありますが、社員採用などの場合は、「どんな人か」という自己紹介として、プロフィールも重要視されるからです。
しかし、考えられたプロフィールが書かれているポートフォリオは少ないものです。それだけに、しっかり作成することで差別化することができます。
まずは、プロフィールの基本的な項目を確認しておきましょう。
自己PRには、具体的な社名やプロジェクト名を入れながら、これまで何をやってきたのか、専門や得意な分野、担当した業務が何であるかを記載します。その上で、「今後は何をやりたい」という未来の話も加えると、キャリアの方向性をアピールすることができます。
職種によって求められる能力は違います。そのため、プロフィールに加える項目や自己PRの書き方は、希望する職種によって変えたほうが効果的です。
UI/UXデザイナーやキャラクターデザイナー、イラストレーターといったクリエイティブ系の職種の場合は、「スキル」「テイスト」「幅」が重要です。
使える環境やツール、アプリケーションなどを明記します。Illustrator、Photoshop、Mayaなど、どういうツールをどの程度使えるのか、使用年数などを書いておきます。
デザインや絵のテイストはどのようなものを作ってきたのか、もしくは作れるのかという個性の部分です。詳細は作品を見てもらうとして、プロフィールでも「重視していること」や「想い」をアピールしておきます。
クリエイターとして幅を持っていることは重要です。同じゲーム業界のデザイナーであっても、ハイエンド・スマホアプリ・ブラウザーなど開発環境が異なれば、習得できるスキルや表現できるデザインも異なります。また、携わってきたゲームのジャンルやテイストが多ければ、さまざまな作品に対応できることが伝わります。
ゲームプロデューサーやゲームディレクター、ゲームプランナーといったマネジメント系の職種の場合は、「プランニング」「マネジメント」「成果達成力」が重要です。
自分でアイディアを出すか、チームで出すかは問わず、企画を立てて形にしていくビジネス創出能力は重要です。どういう企画を立ち上げたかは、自己PRなどで記載します。
チームを構成し、予算を管理し、人材をマネジメントしながら、質の高い商品やサービスを作り上げていく力です。プロジェクトマネジメントの経験は、職歴などに記載します。
プランニングやマネジメントの結果として、ビジネス的にどういう成果を上げたのかも、代表的なものを記載しておきます。これが最も会社が求める能力です。
システムエンジニアやゲームプログラマーといった開発系職種の場合は、「言語」「フロントエンド/バックエンド」「新技術」などが重要な要素です。
PHP、Java、C言語、Python、Ruby、Swift、SQLなど、プログラム言語が増加し、進化している今、実務レベルでどの言語を使えるのかは差別化要因になります。どの言語を何年くらい使い、レベルはどの程度なのかは記載しておきます。HTML、CSSといったWeb言語も、実務レベルで使えるようなら重宝されます。
フロントエンド(UI/UX系)か、バックエンド(データベースやサーバー系)か、両方わかるのかといったところも、企業が知りたい情報です。
今、AIやIoTを始めとする新技術の導入が進みつつあります。新技術を取り入れたいものの、社内に任せられる人材がいないため進まないという企業も多いので、新技術への知見や興味は、自己PRや経歴などに書いておきます。
プロフィールは、細かく書かれているほど良いと考えがちですが、空白を無理に埋めるような情報はノイズになるので不要です。特に、以下の3点に気を付けてください。
例えば、学歴を小学校から書いてあると、履歴書と同じと思われて、流し見されてしまう場合があります。
趣味やプライベートの記載は、それが重視されているおもしろ系企業以外は不要でしょう。
企業にもよりますが、採用担当者が、私服で撮った写真や、くだけた表情・ポーズの写真に目を惹かれることはありません。履歴書と同じか似たような、ビジネススタイルの写真を選ぶようにしましょう。
作品紹介に関しては、まずアピールしたいポイントを決め、それをより効果的に見せる構成を決めることから始めましょう。自分の強みや能力を、作品そのものの強さ(魅力)と、それをより引き立てる作品の並び(構成)で説明する形です。
1つの分野に対する深さをアピールしたいのであれば時系列で代表的な作品を追っていけばいいですし、さまざまなジャンルに対する対応力をアピールしたいのであれば、なるべくバラエティ豊かな作品を並べていく形が効果的でしょう。そして、考えた構成に基づいて作品を選んでいきます。
プロフィール同様、職種によって作品の効果的な見せ方も変わってきます。
デザイナーの場合は、パッケージ画像やサービスの画面写真(アプリやゲームのタイトル画面など)で商品が何であるかをわかるようにした上で、実際に担当したデザイン部分の画像を掲載します。動画や動きのある作品の場合は、キャプチャー画像やサムネイル画像を掲載し、クラウドサーバーなどからダウンロードして確認してもらいます。作品説明には、使用したツールや業務上の要望とそれにどう応えたかといった内容を加えます。
プロデューサーやディレクターなどの場合は、マネジメント面を重視します。ビジュアルは商品のパッケージや画面の画像などを大きく使い、チーム体制や課題とその解決方法など、どのようにマネジメントしたか、そして成果はどのように出たかという説明を記載します。
エンジニアやゲームプログラマーなどの場合は、技術面でのアピールが中心になります。画像とともに、使用言語や技術面での課題やその克服方法などを記載します。
ポートフォリオに掲載する作品数の目安は10~20作品ですが、長期間、同一のプロジェクトに専念していたり、職歴が浅くてそもそも関わった仕事の数が少なかったりした場合などは、掲載できる作品が少なく、頼りない印象を持たれてしまうのではと、不安を感じる方もいるでしょう。その場合は、次のような方法でプロフィールをより良く仕上げてください。
通常、ポートフォリオは1ページに1~2作品掲載しますが、長期プロジェクトの場合は、1つの作品で複数ページにわたってじっくり説明する方法が効果的です。完成までのステップと、その中で自分が果たした役割を、画像も使いながらアピールしていきます。
学校を卒業して2~3年の場合は、学生時代の作品や自主制作の作品なども、自信作があれば加えます。特に、未経験職種に応募する場合は、職務経験がなければ、自主制作の作品で意欲の高さやスキルをアピールする必要があります。
プロフィールと作品はポートフォリオの2本柱です。掲載する内容をしっかり吟味して、採用の確率が高まるものを作り上げましょう。
「作成したポートフォリオに自信がない」「自分のポートフォリオが志望企業に合っているか不安」など、客観的な意見が聞きたい場合には、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。
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