転職ノウハウ ― エージェントが教える転職の鍵:デザイナー(前編)

デザイナー転職で最重視するのはポートフォリオ!!

【ゲーム業界専門エージェントが教える転職の鍵:デザイナー(前編)】

クリエイターの転職をサポートするシリコンスタジオエージェント。
その第一線で、多くのクリエイターとゲーム会社をつないできたリクルーティングアドバイザー手塚さん(写真左)とキャリアアドバイザー関口さん(写真右)に、デザイナーの転職で最重要となるポートフォリオを制作する際の注意点を聞きました。

デザイナーの転職で最重視するのはポートフォリオ!!【ゲーム業界専門エージェントが教える転職の鍵:デザイナー(前編)】

ポートフォリオには最新のタイトルから順に、10~20点程度の作品を載せる

――今回はゲーム業界での転職を考えているデザイナーにとって、ポートフォリオがどのくらい大切なのかを、多くの転職希望者をサポートされてきたお二人に伺います。まずは、今ゲーム開発を行っている企業が求めているのは、どのようなデザイナーでしょうか?

手塚ゲーム会社によって異なるので、一概にはいえません。大手企業の場合は職種が細分化されていますし、比較的規模の小さい企業では一人でマルチな役割を担っている方も多いです。職種比率では、3Dデザイナーの求人が圧倒的に多くなっていますね。もちろん、2Dデザイナーの求人も多くありますが、今はどの企業も3Dデザイナーの需要が非常に高いです。

関口スマホのゲームも、3Dでしっかり作り込むようになったことも影響しています。3Dデザイン以外では、UIとUXのデザインができる方も求められています。ユーザーを意識したわかりやすいUIを設計できる方、満足度の高いUXを実現できる方は、ゲームの操作体系がスマホ(のタッチやスライド)に変わったことから、特に重視されるようになりました。このあたりの実績がある方は引く手あまたです。

――そういったデザイナーが転職活動を行う際、絶対に必要とされるのがポートフォリオです。しかし、転職経験がない方や業界外の方にとって、ポートフォリオの制作は意外と難しいとされています。

手塚2D、3Dに限らず、デザイナーがポートフォリオに絶対に入れておくべきなのは、希望する職種に合った作品です。キャラクターデザインであればキャラクター、3Dデザイナーであれば3Dの作品が載っていなければ、評価のしようがありませんから。

関口ただ希望する職種に合う作品を入れれば良いのではなく、ある程度の点数も必要になります。およそ10~20点程度が目安と考えていただければ大丈夫です。

デザイナーの転職で最重視するのはポートフォリオ!!【ゲーム業界専門エージェントが教える転職の鍵:デザイナー(前編)】

――その企業で自分がやりたいことと実力が伴っていることを伝えるには、希望する職種に合う作品を見せるのが効果的なのはわかりました。しかし、職歴が浅い方の場合、点数をそろえるのは難しいのではないでしょうか?

関口先ほど申し上げた10~20点の目安ですが、同一タイトルから抽出しても構いません。もちろん、複数のタイトルから作品を載せたほうが、デザイナーとしての幅を見せられるのでより良いポートフォリオといえます。これまでに関わったタイトルが少ない方は、見せ方で工夫すると良いでしょう。

手塚長くデザインの仕事をされてきた方も、ただ作品を並べるのではなく、しっかり説明をする必要はあります。「発注に対してどう応えたか」「なぜこのデザインになったのか」「配置の意味」「デザインのコンセプト」などを書き添えるわけです。

――デッサンや下書きのようなものを入れるのはありでしょうか?

手塚関わったタイトルが少なく、作品数が足りない場合は入れてもいいと思います。採用側は基礎的な画力を見ることができますので。しかし、やはり作品のほうがメインですから、加えるとしても後ろのほうのページにしてください。

関口例えば、美術系の学校やゲーム専門の学校を卒業して、1回就職した人が比較的短い期間で転職する場合、多くのタイトルに関わることは難しいでしょう。このような方は、学生時代の作品を載せることでボリュームを出す必要があるかもしれません。しかし、業界経験が長い方が、10年20年前のデッサンを載せる意味はないですね。

――古い作品は載せるだけ無駄ということですか?

関口直近に関わったタイトルからさかのぼって載せるのが基本です。希望する職種に合う作品がなく、年代が多少飛んでしまうことはあるでしょう。それでも、あまり古い作品が並ぶのは現実的ではありません。

手塚思い入れのあるタイトル、自信のある作品を載せるのは多少古くても構いませんが、載せる順番は後ろのほうです。それでも、あまりに古い作品は避けたほうが良いでしょう。また、全体の割合も、新しい作品が多数を占めるようにしてください。

――作品が完成するまでの時間や使用したソフトウェアなども載せたほうがいいですよね。

手塚はい。特に制作時間は重要です。フリーのデザイナーが自分の作品を作るのであれば、時間に拘束されることはありませんから、非常に高いクオリティで仕上げることもできるでしょう。しかし、ゲーム開発の現場で働くデザイナーは、時間との勝負になる場面もあります。同じようなクオリティのものを3時間で作る方と、1時間でできる方では、後者のほうが高く評価されるわけです。

関口特にスマホのゲームの場合、常に時間との勝負といえます。ゲーム会社が評価するデザイナーは「スピードがある」デザイナーです。

デザイナーの転職で最重視するのはポートフォリオ!!【ゲーム業界専門エージェントが教える転職の鍵:デザイナー(前編)】

オリジナル作品はきちんと評価されるが、版権物には要注意!

――企業の話が出てきたところで、改めてポートフォリオに載せる作品のことを伺います。デザイナーの中には、会社の仕事とは別に作品づくりを行う方も多いと思いますが、その作品も載せていいものなのでしょうか。

手塚もちろんオリジナル作品でも大丈夫です!きちんとしたクオリティに仕上がっていることは必須ですが、世の中にリリースされたタイトルである必要はありません。

関口ゲーム会社で制作したものであっても、そのタイトルがリリース前の場合は慎重に取り扱うようにしてください。

――リリース前のタイトルに関する作品は載せないほうがいい?

手塚コンシューマーのタイトルであれば発売後、スマホのゲームならリリース後がひとつの基準になると思います。しかし、例えばコンセプトアートなどのように、リリース前でもメディアなどで公開されている作品であれば、公開情報ですから載せられるかもしれません。それでも、ポートフォリオに掲載することに対し、権利者の許可を得ておく必要はあります。この掲載許可を得る手順は省かないでください。

――でも、転職活動はあまりオープンにしないものですから、現在所属している会社に許可を得ようとすると、ばれてしまいますよね。

手塚そういう側面は確かにありますね。ほかにも、ゲームの開発は販売元(パブリッシャー)が直接手掛けるのではなく、開発会社(デベロッパー)が行うことが一般的になっていますが、それを表に出していないケースもあるため注意してください。例えば○○というタイトルは、A社が開発してB社が販売していると世間的には思われているのに、実際はC社やD社も参加している場合です。C社やD社の方がポートフォリオに○○を載せてしまうと、「○○はC社やD社で作っていた」という事実が明らかになってしまいます。これは、守秘義務にあたる部分ですから、問題は例に挙げた4社だけにとどまりません。応募先の企業にも「この人は秘密を守らない人である」という印象を与えることになります。

関口最近はどこも権利関係にきびしくなっていますので、現在所属している会社に入社する際に渡された書類(NDAなど)は、しっかり読んでおきましょう。また、それ以前に、その会社のタイトルに関するものは、一切持ち出せないようにしている場合もあります。

――ポートフォリオを作りたくても載せられる作品がない!?

関口そういう方もいらっしゃいます。遊技機関連のデザイナーは特に多いですね。

――そのような場合、どうすればいいのですか?

関口オリジナルの作品を多くすることになります。採用する企業も版権物の扱いが難しいことは理解していますので、それで問題ありません。逆に、版権物ばかり載っていると、コンプライアンス意識が低いと見られてしまう可能性もあります。ですから、そのような作品を掲載するときは「許可を得ている」ことをしっかり伝える必要があると考えてください。

デザイナーの転職で最重視するのはポートフォリオ!!【ゲーム業界専門エージェントが教える転職の鍵:デザイナー(前編)】

見る側のことを考えると、成人向けの作品ばかり載せるのはきびしい

――ゲーム業界でいうと、いわゆる成人向け(18禁)のタイトルに関わっているデザイナーも多いと思います。ポートフォリオも肌色の多い内容でいいのでしょうか?

手塚成人向けタイトルの開発の場合には、もちろん構いません。企業によってはNGなケースがありますので、その場合にはポートフォリオのために新たに作品を作っていただくこともあります。成人向け作品は、通常のポートフォリオには含ませず、ファイルを分けて作成していただいています。その際には、ファイル名などに「成人向け含む」など注意書きを添えていただくことをおすすめします。

関口実績としては成人向けオンリーでも、登録者の方が「今後どういったコンテンツ制作に携わりたいのか」をしっかりヒアリングするようにしていますね。そして、ポートフォリオは応募先の企業に合わせて調整するようにアドバイスさせていただいております。

――ゲーム会社のことをよくご存じだからできるわけですね。ところで、デザイナーが転職を考えるタイミングやきっかけはどんなものが多いのでしょうか。

関口それはもう、さまざまです。「この会社に行きたい」と志望企業を決めている方もいらっしゃいますし、「今の会社じゃなければどこでもいい」という方もいらっしゃいます。

手塚どのような理由で転職を考えられたにしても、ご登録いただいた方にはお話を伺って、どうするのが良いかをいっしょに考えていきます。今の時期がいいのか、希望している会社より合致する会社はないのか、待遇や条件に交渉の余地があるのか…。

関口転職エージェントではありますが、今すぐ転職しない方がいいのでは?という方には率直にそのようにお伝えしています。お話を伺っているうちに「やはり転職されたほうが良い」という結論になったら、ポートフォリオの内容を詰めたり、希望されている企業の情報を改めて収集したりするフェイズに移ります。

――まずは話を聞くところから始めるのですね。もっとドライに、いわば事務的に作業が進んでいくものだと思っていました。シリコンスタジオのエージェントが転職希望者とどう関わっていくのか、デザイナーにとってポートフォリオが重要であることもよくわかりました。

後編では、ポートフォリオの制作に便利なテンプレートの利用について、さらに2Dデザインと3Dデザインという職種の違いがポートフォリオにどう影響するのかなど、より具体的なお話を伺います。

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