シューティングゲームが一般に認知されたのは、1978年に社会現象を巻き起こした「スペースインベーダー」です。その後、アーケードゲームを中心に発展を続け、1980~1990年代にかけて隆盛となり、家庭用ゲーム機への移植も積極的に行われました。
2000年代に入るとリリースされる数は大きく減りますが、1990年代後半に誕生したFPSが入れ替わるように支持を獲得。世界的なヒット作が続々誕生し、オンライン対戦を中心に多くのプレイヤーを虜にしています。そこで今回は、時代に合わせて進化してきたシューティングゲームを5つに分けて解説。それぞれの内容と流行した時期を知ることで、未来のシューティングゲームの姿を探ります。

操作するキャラクターが見えない一人称視点で敵を倒していくシューティングゲームをFPS(ファーストパーソンシューター)といいます。その元祖といわれているのが、1991年にアメリカのid Softwareから発売された「Catacomb 3-D」です。同社は翌年に「Wolfenstein 3D」、1993年に世界中でブレイクした「DOOM」、1996年にはゲーム内を完全に3Dで表現した「Quake」をリリース。2009年にゼニマックス(2020年にマイクロソフトの子会社となる)に買収されますが、FPSの歴史を作った会社であり、現在もeスポーツで人気の「Rage」シリーズの開発元として高い評価を得ています。
FPSは世界中で大人気となり、「バトルフィールド」「コール・オブ・デューティ」「Halo」などは家庭用ゲーム機のキラータイトルとして、ハードの売上に大きな影響を及ぼすほどになりました。2022年にはマイクロソフトの傘下で「Halo」シリーズを制作したバンジーをSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が買収した一方で、マイクロソフトは「コール・オブ・デューティ」で知られるアクティビジョン・ブリザードの買収を発表。人気シリーズの次回作がどのハードで提供されるのかが注目を集めています。
日本国内でも「エーペックスレジェンズ」「PUBG」「レインボーシックス シージ」「オーバーウォッチ」など、多くのタイトルが人気を集めています。
FPSに限らず、多くの制作現場で使われているゲームエンジン「Unreal Engine」は、元は1998年に発売された「Unreal」というFPSを制作するためにエピックゲームズが開発したもの。また、eスポーツの超人気タイトルである「カウンターストライク」シリーズは、「Half-Life」というFPSのMOD(Modification)、つまり公開されたゲームのSDK(Software Development Kit)を利用してユーザーが改造したものから始まったシリーズです。このように、汎用性や拡張性の高さも、FPSの特徴のひとつとなっています。
操作するキャラクターの頭上、やや後方からの見下ろし視点で敵を倒すのがTPS(サードパーソンシューター)です。同じ3D視点のシューティングゲームであるFPSと比べ、周囲の状況をつかみやすく、地形を活かした駆け引きや相手の攻撃を避ける行動、撃つだけでなく近接攻撃を行いやすいといった特徴があります。3DのアクションゲームやオープンワールドのRPGと変わらない操作感ですが、それらとの違いは、「敵を攻撃する手段として射撃に主軸を置いている」ことが挙げられます。
パブリッシャーも明確に「TPSである」とうたうケースが少ないことも特徴で、プレイスタイルなどからユーザーやメディアがそう捉えた作品をTPSと呼ぶ場合がほとんどです。「Gears of War」「荒野行動」「フォートナイト」などが代表的なTPSで、いずれもeスポーツの定番タイトルとしてFPSと並ぶ人気を集めています。
パイロットになって飛行機を操縦、敵機を撃墜することを目標とするのがフライトシューティングです(操縦がメインのゲームはシミュレーションゲームの一種のフライトシミュレーターとして区別されます)。
1987年にアーケードの体感ゲームとして人気となった「アフターバーナー」(※1)や、1995年にPlayStationで第1作が発売されてシリーズ化された「エースコンバット」のように、実在の戦闘機やそれに近い機体を操れる作品と、1993年にスーパーファミコンで発売された「スターフォックス」(※2)のように架空の機体を操縦するものがあります。
※1 セガは「3Dシューティングゲーム」と表記。
※2 任天堂は「シューティング」としています。
プレイヤーが銃を手に迫り来る敵を撃ち倒してステージクリアを目指すのが「ガンシューティング」です。古くはファミリーコンピュータの周辺機器であった「光線銃」に対応した「ワイルドガンマン」や「ダックハント」のほか、スーパーファミコンの周辺機器「スーパースコープ」に対応したタイトルもありましたが、やはり本領を発揮するのは銃型の専用コントローラーで楽しめるアーケードゲームです。
特に1992年に稼働開始した「リーサルエンフォーサーズ」は、それまで筐体に固定されていた拳銃をケーブル接続式に変更したことでリロードの概念を持ち込み、ガンシューティングのゲーム性を大きく変えました。その後も「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」「タイムクライシス」「ガンバレット」などがアーケード発でヒットし、いずれもシリーズ化されています。
1978年に発売された「スペースインベーダー」の後を追うように、まずは画面固定(同じ画面内に敵と自機が存在)タイプのシューティングゲームが数多く作られました(代表的な作品は「ギャラクシアン」)。
その後、1980年には画面(ステージ)が横に流れていく「スクランブル」、1983年には縦にスクロールする「ゼビウス」が登場。いわゆる横シュー(横スクロールシューティング)と縦シュー(縦スクロールシューティング)の原型が出そろいます。特に「ゼビウス」は、デザインや敵の動き、さまざまな隠し要素に加え、作り込まれた世界観も含め、その後のシューティングゲーム全体に大きな影響を与えました。
横シューは「グラディウス」や「ダライアス」といったヒットシリーズを生みますが、アーケードで長く支持されたのは縦シューでした。特に1985年に稼働開始した「タイガーヘリ」が導入した、敵の弾を打ち消しつつ広範囲に大ダメージを与える「ボンバー」は、シューティングゲームが苦手な人にも優しい緊急回避のしくみとして優秀で、同じような効果を持った作品が数多く作られました。
いわゆるアーケードゲームが対戦格闘ゲーム一色となり、プリントシール機やプライズゲームが人気となったことでゲームセンターに通う層は大きく変わります。シューティングゲームも少しずつリリース数が減少し、1980~1990年代の活気は戻らないと思われました。
しかし、1997年に登場した「怒首領蜂」が流れを変えます。画面内にばらまかれた大量の敵弾を「避ける」楽しさを生んだ同作は、弾幕系シューティングという新しいジャンルを開拓。「式神の城」「東方Project」などがシューティングファンの高い評価を得てシリーズ化されています。
2023年現在、2Dのシューティングゲーム(縦シューと横シュー)は新作がほとんど出ないマイナージャンルになっています。フライトシューティングとガンシューティングも、代表的な作品のシリーズ最新作はしばらく出ていません。一方、FPSとTPSは世界的な開発スタジオがいくつもあり、そうしたスタジオが制作したものはナンバリングタイトル(続編)でなくとも、ヒットが見込める数少ないジャンルとなっています。
しかし、世界で多くのユーザーの心をつかんだタイトルも、日本では大ヒットといえるほどの売上にはならず、現在日本国内の制作会社ではFPSやTPSを積極的に作る体制は整えていないところが大半です。
FPSやTPSの開発に携わりたいゲームクリエイターは、海外のパブリッシャーやデベロッパーの日本支社への転職、もしくは新規FPSやTPS開発プロジェクトがないかエージェントに相談してみるといいでしょう。
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