戦争を盤上で再現するウォーシミュレーション、ある時代の覇権を目指す歴史シミュレーションといった伝統的なシミュレーションゲームに加え、eスポーツで人気を博すリアルタイムストラテジーや各種シミュレーターまで、幅広いラインナップを誇るシミュレーションゲーム。
コンピューターの進化で現実をリアルに再現できるようになった、シミュレーションゲームの奥深い世界を紹介します。

「システムをモデルで表現し、そのモデルで実験をする」という意味の「シミュレート」を、ゲームで表現したのがシミュレーションゲーム(SLG)です。
世の中にあるさまざまな物事をPCや家庭用ゲーム機上で再現し、それを疑似体験(模擬体験)するゲームと捉えることができるため、フォローしている範囲=ジャンルが内包する世界が幅広いことが特徴となっています。
ウォーシミュレーションは、実際にあった戦争を、兵器や兵士をコマ(ユニット)に、土地や街をマス目に見立てて各陣営の司令官となって戦うもので、軍隊などで行われてきた盤上の訓練をコンピューター上で再現したシミュレーションゲームです。敵と味方が順番にユニットを操作するターン制のものが多く、敵の殲滅や拠点の占領などの条件を満たすと勝利となります。なお、ウォーシミュレーションは、大きく「戦術級」「戦略級」に分かれます。
戦術級のウォーシミュレーションの代表格である1985年に発売された「現代大戦略」は、現在に続くロングセラーになりました。
また、「ファミコンウォーズ」や「サクラ大戦」なども戦術級のウォーシミュレーションです。より範囲が広がり、物資の調達なども重要になるのが「Hearts of Iron(ハーツ・オブ・アイアン)」や「機動戦士ガンダム ギレンの野望」で、これらは戦略級のウォーシミュレーションと呼ばれます。
戦略級のウォーシミュレーションの中でも、歴史上のある一時期にスポットをあてた作品のことを歴史シミュレーションといいます。コーエーテクモゲームスの看板タイトル「信長の野望」「三國志」を筆頭に、文明の興亡を描いた「シヴィライゼーション」、太平洋戦争を題材にした「提督の決断」、近現代戦がテーマの「Steel Panthers」などがこのジャンルに含まれます。
マス目にユニットを配置してターン制で交互に動かす必要があったシミュレーションゲームの世界から、マス目をなくし、時間も自動進行するようにしたのがリアルタイムストラテジーです。
1995~1998年に「ウォークラフト」「コマンド&コンカー」「エイジ オブ エンパイア」「スタークラフト」と立て続けに大ヒット作が生まれたことで定着。ネットワーク対戦も隆盛で、現在のeスポーツ界でも一大勢力となっています。また、スマホアプリでも「クラッシュ・オブ・クラン」や「ロードモバイル」などが世界的なヒットとなりました。
リアルタイムストラテジーの中でも、1対1で自分の拠点を守り抜く(互いの拠点を攻め落とす)シミュレーションゲームのことをタワーディフェンスといいます。
スマホアプリにヒット作が多く、「クラッシュ・ロワイヤル」「城とドラゴン」「にゃんこ大戦争」など、セールスランキングの上位に長くとどまるタイトルが豊富です。また、「御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~」「千年戦争アイギス」のように、長く愛されるPCのブラウザゲームが多いことも特徴となっています。
キャラクターの成長にスポットをあて、育てる過程を楽しみ、育てたキャラクターで何かをつかみ取るタイプのシミュレーションゲームは、育成シミュレーションと呼ばれます。
対象となるキャラクターは幅広く、アイドルを育てる「THE IDOLM@STER」、競走馬を育てる「ダービースタリオン」、プロスポーツ選手を育てる「プロサッカークラブをつくろう!」「プロ野球チームをつくろう!」などがシリーズ化され、ファンとともに長い時間を過ごしてきました。
近年は擬人化されたキャラクターを育てる作品が人気で、観戦を育成する「艦隊これくしょん -艦これ-」、刀剣ブームを生んだ「刀剣乱舞」、驚異的な課金額で世間を驚かせた「ウマ娘 プリティーダービー」などが知られています。
企業や店舗などの経営者、都市の市長といった立場で経営を行うゲームが経営シミュレーションです。1989年に都市経営を題材にした「シムシティ」が世界中で人気を集め、国内では翌1990年に「A列車で行こうIII」がただレールを敷くだけだった前作までとは内容を一新。鉄道会社の経営に焦点をあててヒットし、定着しました。
ほかにも、遊園地、コンビニエンスストア、水族館、航空会社、学校、ゲーム会社などとテーマは幅広く、今後も新たな作品が生まれる可能性があります。
ゲームに登場する人物と交際するシミュレーションゲームのことを恋愛シミュレーションといいます。1992年の「同級生」と1994年の「ときめきメモリアル」が人気となったことで確立され、「アンジェリーク」のように男性キャラクターとの疑似恋愛を楽しむタイトルも生まれました。
その後も、2000年代にかけて「ゆめりあ」「ドリームクラブ」「ラブプラス」など、話題になる作品はいくつかありましたが、家庭用ゲーム機でのリリースは減少し、主戦場はスマホアプリに移っています(※)。
※スマホアプリの恋愛シミュレーションは「恋愛ゲーム」と呼ばれ、実際のゲーム内容もシミュレーション要素はあまり含まないケースがほとんどです。
これまで紹介した作品とは一線を画しますが、車や飛行機などの乗り物を運転(操縦)するシミュレーター(実機シミュレーション)もシミュレーションゲームの一種です(※)。映像表現の進化により、実際にはふれることもできない貴重な体験ができることから、それぞれのタイトルに熱狂的なファンがついていることでも知られています。
※レースゲームやフライトゲーム、アクションゲームに分類する考え方もあります。
最も人気があるドライブシミュレーターでは、初代プレイステーションのときから衝撃を与え続ける「グランツーリスモ」シリーズやマイクロソフトの「Forza Motorsport」シリーズが有名ですが、バスやパワーショベル(重機)を運転する変わり種もありました。
また、アーケードで大ヒットした「電車でGO!」や40年もシリーズが続く「Microsoft Flight Simulator」も根強い人気に支えられています。
紙の上でコマを動かして遊ぶアナログゲームから発展してきたシミュレーションゲームは、長らくマス目やターン制という呪縛にとらわれていました。しかし、リアルタイムストラテジーの登場によって競技性が高まり、eスポーツの大会ではMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)や対戦格闘ゲームと並ぶ人気競技に育っています。
その結果、マルチプレイへの対応や観戦者を意識した画面づくりなど、クリエイターにとって挑戦しがいのあるジャンルとなっていることは間違いありません。
お気軽にお問い合わせ・ご相談ください!
お問い合わせフォーム
PICKUP求人