ゲーム業界用語解説 ― P2EのNFTゲームは稼げる?特徴や稼ぐしくみを解説

P2ENFTゲームは稼げる?特徴や稼ぐしくみを解説

暗号資産(仮想通貨)市場の時価総額が3兆ドルを突破(2021年11月)するなど、FT(Fungible Token:仮想通貨を代表とする代替性トークン)が形成する経済圏は無視できない存在になりました。
一方、2017年に始まったNFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)市場も拡大を続け、親和性が高いとされるメタバース(仮想空間)に関連したコンテンツが注目を浴びています。

NFTは、デジタルアートを投機対象として取引するものですが、中でも特に注目されているコンテンツにNFTゲームがあります。ただ遊ぶのではなく、作るのでもなく、遊びながら稼いでいくNFTゲームの特徴をまとめました。

ゲーム業界用語解説 ― P2E

P2EからE2Pへ

P2Eとは「Play to Earn」の略で、遊びながらお金を稼ぐことができるという意味です。しかし、このP2Eという考え方は過去のものとなり、現在のNFTゲームはE2P(Earn to Play)、つまり「ゲームを楽しむために稼ぐ」という考え方が主流になっています。
NFTゲームは、ゲーム内のアイテムやキャラクター、何かを達成した際に得られる報酬などに価値をつけて売買することができます。取引はすべて仮想通貨で行われますが、世界一の仮想通貨であるBitcoin(ビットコイン)ではなく、よりNFTに適した技術を採用しているEthereum(イーサリアム)を使うNFTゲームがほとんどです。

NFTゲームも仮想通貨も、偽造や複製が困難なブロックチェーン技術が使われており、株や債券など従来型の投資や、ただ遊ぶだけだったゲームとは異なる新世代の参加型投資(稼ぎ方)となっています。

NFTゲームのしくみと稼ぐ方法

NFTゲームはスマートフォンやコンシューマーのゲームとは異なり、ゲーム内に「プレイヤーが売買可能なもの(トークン)」が用意されています。ゲームを遊んで獲得したトークンを売りに出し、買い手がつくことでトークンの価値が確定。代金として仮想通貨が振り込まれることで利益が発生します。
具体的にどのように利益が生まれるのか、流れを確認しておきましょう。

1. ゲームをプレイしてトークンを獲得する

NFTゲームでは、条件を満たすことで報酬が得られます。もちろん、ゲームによって条件は異なりますが、基本的には「大会に出場する」「ランキングで上位に入る」「優秀な成績を残す」など、いわゆる普通のゲームでいう「トロフィー」獲得条件のようなものと考えればいいでしょう。
報酬の種類はトークンだけではなく、ゲーム中で価値のあるアイテムをもらえるケースもあります。また、ゲーム内の土地を取得してほかのプレイヤーに貸したり、入場料や利用料を徴収したりして稼ぐことも可能です。

2. トークンをNFTとして販売

獲得したアイテムやキャラクター、称号といったトークンは、NFTマーケットプレイスで販売することができます。事前に「仮想通貨取引所の口座開設」「仮想通貨ウォレットの準備」をしておき、自分がプレイして得たトークンを売り出したり、ほかのプレイヤーが販売しているトークンを購入したりしながら仮想通貨の資産を増やしていきましょう。

有名人が所持していたトークン、ゲーム内で圧倒的な地位が約束されるアイテム、大きな大会の上位入賞者しか得られないトークンなどは、高値での取引が期待できます。また、ゲーム内で作成したアイテムをトークンとして売買できる場合もあります。比較的入手しやすいトークンにはあまり価値がつきませんが、コツコツと毎日プレイして貯めることで、「塵も積もれば山となる」ケースもありますので、自分のスタイルに合った方法を確立することがポイントです。

3. スカラーシップ制度を利用する

スカラーシップ制度とは、自分が所持しているプレイに有利になるゲーム内アイテムなどを貸し出すことで、借り手のプレイヤーが得た報酬の5〜7割が貸し手に入るしくみです。資金を融通した相手が利益を出さない可能性もあるので見極めが重要になりますが、NFTゲーム最大の弱点ともいえる「時間」を大幅に圧縮し、ほぼ自分の手を動かすことなく収益を得られるようになります。

NFTゲームを始めるメリット

NFTゲームは始まったばかりの市場であり、投資対象ということから不確定要素も多々あります。それでも圧倒的な成長市場であり、ゲームを楽しみながら資産形成ができることに魅力を感じる人も多いでしょう。
新しい技術を利用したまったく新しい世界であるNFTゲームを、今始めるメリットは次の3点に集約されます。

ゲームが終了しても獲得したアイテムの所有権は残る

NFTゲームも、スマートフォンやコンシューマーのゲームと同様、プレイヤーが集まらなければあっという間に廃れていきます。実際、大々的にサービスインしたものの、短期間でクローズするようなタイトルも出てきました。
しかし、ゲームそのものは遊べなくなったとしても、プレイヤーの手元には獲得したトークン=資産価値のあるアイテムが残ります。費やした時間が思い出としてだけでなく、仮想通貨に変換可能な資産として残る点は、従来のゲームにないNFTゲームならではの価値でしょう。ただし、トークンをゲーム外に持ち出せることが前提ですので、その点には注意が必要です。

チートが発生しにくい

オンラインゲームの運営や真面目なプレイヤーを長年悩ませてきたのが、不正プログラムやバグを利用したチートでした。しかし、高セキュリティかつ監視体制が整っているNFTゲームでは、不正は確実に発見・対処されるため、チート行為はほとんど発生していません。誰もが純粋にゲームを楽しめることは、従来のオンラインゲームにはないNFTゲームならではのメリットといえます。

NFTゲームのデメリット

NFTゲームはゲームであると同時に、投機的な側面を持つものです。資産を作る・増やすという目的がある以上、従来のゲームとは異なるマイナスな面があることも理解しなければいけません。特に注意しておきたいのは、下記の3点です。

短期間でサービス終了になる可能性がある

スマホゲームやブラウザゲームで一般的な「サービス終了のお知らせ」は、ゲームを楽しんでいた(特に課金していた)人にとって最悪の事態ですが、プレイヤーと運営会社双方が儲ける必要があるNFTゲームでは、サービス終了の判断がより早く下る傾向があります。

また、取引に使用される仮想通貨も相場が乱高下しやすい性質があり、その差損によって運営会社の経営が危うくなると、ゲームそのものは活況でもサービスが突然終了してしまうことも考えられます。

初期コストが高い

NFTゲームは投資でもあるため、ゲームを始めるときにある程度の出費を求める傾向が強くあります。例えば、主人公の装備を高価で販売している、あるアイテムがないとより良いトークンが得られる場所に行けないといったケースです。
ゲームを有利に進め、レア度の高い=価値がつきやすいトークンを得るためには、最初に投資が求められます。一般的なゲームであれば非難囂々になりますが、NFTゲームではスタンダードな設定ですから、その壁を越える必要があるのです。ちなみに、初期投資額は数万円~数十万円というのが一般的で、もちろん回収の保証はありません。

収益が相場に大きく影響される

NFTゲームで利用される仮想通貨には、ゲーム内でトークンなどを購入するものと、決済を行うためのものの2種類があり、それぞれのレートは秒単位で変動しています。為替相場のように動きが小さければ問題ありませんが、超高騰や大暴落が日々発生する不安定な相場となっており、販売・購入したトークンの価値もそれに合わせて激しく上下動します。

相場は非常に読みにくく、超高値をつけていたトークンを購入したら暴落によってほぼ無価値になる、もしくはトークンの売買で大儲けしていたのに(決済するための)仮想通貨が暴落して資産が目減りするという事態も起こりえます。

おすすめのNFTゲーム

市場の盛り上がりとともに多くのパブリッシャーが参入しているNFTゲームですが、流行り廃りも早く、どのタイトルを選ぶかが肝になっています。そこで、これからNFTゲームを始める人におすすめの、安定して運営されている5タイトルを紹介。いずれもサービス終了のリスクはゼロではありませんが、プレイヤーの数が多く、内容も評価されているものなので、NFTゲームの入門にはぴったりです。

The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandbox」は、メタバース内にアバターを作り、アイテムをデザインしたり、LANDと呼ばれる土地のようなものを購入したりしてカスタマイズしていくNFTゲームです。作ったアイテムやキャラクターを売買できるだけでなく、LANDを貸すことで収益を上げることもできます。また、ゲーム内で使われるSANDという通貨は、現実世界でも仮想通貨として取引されています。

Axie Infinity(アクシーインフィニティ)

Axie Infinity(アクシーインフィニティ)

ベトナム発の「Axie Infinity」は、アクシーと呼ばれるモンスター同士の対戦ゲームです。コンピューターを相手に戦うアドベンチャー、日々変わっていくデイリークエスト、アクシーを成長させるブリーディングのほか、対人戦が行えるバトルアリーナがあります。ゲーム内通貨のSLPは、そのまま仮想通貨と交換可能で、育てたアクシーはNFTマーケットプレイスで売買可能です。

Crypto Spells(クリプトスペルズ)

Crypto Spells(クリプトスペルズ)

Crypto Spells」は、日本で生まれたトレーディングカードゲームです。デッキを組んでカードバトルに勝利することで報酬が得られます。また、ゲーム内で権利を得るとオリジナルカードを発行できるようになり、そのカードが流通するたびに手数料収入が得られることも特徴です。特に、希少性の高いカードには数十万円の値がつくこともあります。日本企業が開発運営している安心感と、テレビCMの効果でプレイヤー数は増加傾向にあり、これからますます注目されそうなNFTゲームといえるでしょう。

My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)

My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)

My Crypto Heroes」も、日本企業が運営する対戦型ゲームで、2019年にはNFTゲームで最大のユーザー数を誇りました。トークンとなっているのは、歴史上の人物を元にしたヒーローで、これにアイテムを組み合わせてチームを結成、クエストをこなしつつ、ほかのプレイヤーと対戦を行います。ヒーローはレンタルすることも可能で、その場合は報酬をオーナーと分け合う方式です。また、デザインしたヒーローを売買することもできます。

Sorare(ソラーレ)

Sorare(ソラーレ)

Sorare」は、現実のサッカーの試合結果が反映されるNFTゲームです。実在するサッカー選手のカードを集めて自分のチームを作るのですが、集めた選手が現実の試合で活躍をすればより多くの報酬が得られるしくみがユニークで、世界中のサッカーファンの支持を集めています。日本のJリーグをはじめ、世界140以上のクラブチームとライセンス契約を結んでおり、ゲームが得意でなくても楽しめる=収益につながる点も特徴です。

新しいゲームはさわっておくのがクリエイターのあるべき姿

まったく新しいゲームの形を築きつつあるNFTゲームですが、仮想通貨取引所の口座開設とウォレットの準備が必要という壁もあり、まだ一部の好事家が楽しんでいるに過ぎません。しかし、これまでのように、プレイ時間=思い出で終わるのではなく、費やした時間が資産に変わるしくみは斬新で、市場は拡大の一途をたどっています。

日本のゲームパブリッシャーもこれから参入していくことが予想され、ゲームを作る立場であるクリエイターはブロックチェーン技術を学ぶ必要が出てくるでしょう。そのとき、プレイヤーとしての参加経験がNFTゲーム制作に役立つことは確実ですから、勉強の意味も含めて一度遊んでみる価値は十分あります。ゲームを投資対象と考えることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、あくまで新しいゲームのジャンルとしてチェックしておくことをおすすめします。

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